狼は飼い馴らすことが出来ない
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の少年少女たちを戦場に送らなくて済む。
それに今、極秘で進めている彼女(・・)のプロジェクトと並行して進めてもらえればいい。
見通しが作れれば、それだけでも活路が開ける。
だが、問題が一つだけある………。
それは、彼自身が遺伝子の提供だった。
「………彼はそう言う事に関しては嫌悪していた。まず、協力なんかしてもらえないだろうな」
そう思っていた時、シュバリエのパンドラ達が数名ウェストゼネティックスに旅立っていくのを耳にした。
「………何をしている?」
「スペンサー次官。先日、蒼騎に銃をつけられた政治家が先程の映像を見た後、シュバリエを勝手に動かして討伐命令を出したみたいです。表向きは“討伐命令”ですが、本当は報復でしょう」
そう話す私の部下。
私はチャンスだと思い、誰にも気づかれぬのようにパンドラ達に通信を開始した。
「………聞こえるかね? 私はスペンサー次官だ」
『はい。聞こえてます。なんの御用でしょうか?』
「これからキミたちが討伐する蒼騎の血液を秘かに採取してきて欲しい」
『血液ですか?』
「そうだ。将来の為に必要なのだよ」
『分かりました。採取して持ち帰ります』
「………頼んだよ」
『はい。失礼します』
ピッ!!
未来の人類の為にも私は立ち止まれない!
〜スペンサーside out〜
〜真紅狼side〜
俺が学園内を歩いている間、注がれている視線がようやく理解できた。
あの映像が流れたのか………
前からキムが来て、エリズが居る部屋に連れてかれた。
「蒼騎!」
「なんだ、キム?」
「今、お前が戦った映像を見たんだがアレは事実なのか!?」
「大いに事実だ。なんだ、俺が怖くなったか?」
「いや、前もってお前の正体を知っていたから、怖くは無いが………不味いことになったぞ」
キムとエリズは顔を見合わせて、俺の方に向く。
一体何が不味いんだよ?
「言ってる意味がよく分からねぇな」
「あのね、真紅狼。今まで私達はたくさんの犠牲を出しながらもノヴァを倒してきたの。だけど、今回貴方という存在が出て来てしまったせいで、大きな衝撃を全てのゼネティックスやシュバリエに与えたわ」
「ふーん? で?」
「『ふーん』って、蒼騎。これは非常事態なんだぞ? いいか? これを見たシュバリエの連中はこう思うだろう。『彼を上手く自分たちの手でコントロール出来れば、人類は救われる』とそう思うだろう。もっと最悪な考えでは『彼の遺伝子を手に入れてクローンを大量生産すればいい』ってな」
ほぅ?
俺のクローンねぇ。
乖離剣 エアの使用が早まるんじゃないかな、これは。
ノヴァよりも被害がデカくなるけどいいのかねぇ?
「
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