暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第五十七話 挨拶その十

[8]前話 [2]次話

 そしてだ。他の魔神達もだ。彼と共に全員いた。その彼等が二人に言うのだった。
「最後の最後」
「それではだ」
「行くわよ」
「そうだな。行くとするか」
「ではな」
「これからだ」
 他の魔神達も言う。そしてだ。
 彼等はだ。死神に対してだ。こう言ってきた。
「それでだが」
「いいだろうか」
「考えがあるのだけれど」
「考えだと?」
 死神もだ。彼等に目を向けて述べた。
「一体どういう考えだ」
「眠りの神です」
 老人がその名前を出してきた。
「その神ですが」
「僕のこと?」
 目玉がだ。ここで出て来た。
 そしてだ。彼も魔神達に話すのだった。
「僕がどうしたの?」
「眠りと死は同じものですね」
「まあそうなるね」
 死神は老人のその言葉に声で頷いた。
「実際のところ」
「貴方達は元は同じでもあります」
「その通りだ」
「うん、そうだよ」 
 死神と目玉が同時に答えた。老人の今の言葉にだ。
「私達は元は同じだった」
「生まれた時は同じだったんだ」
「言うならば双子だ」
「それが僕達だよ」
「そうですね。それではです」
 老人はさらに言葉を続けていく。そうしてだ。
 彼等を見ながらだ。こんなことを言うのだった。
「一つになられてはどうでしょうか」
「ここでか」
「一つになんだ」
「戻られてはどうでしょうか」
 また言うのであった。
「そうされては」
「そうだね」
 目玉がだ。最初に老人の言葉に応えた。
「その方がいいかもね」
「納得してくれますか」
「そうできるものは見つけたよ」
 目玉の返事の声が笑っていた。
「確かにね」
「それでは」
「じゃあさ」
 目玉は今度は死神に対して問うた。
「それでいいかな」
「そうだな。私もだ」
「今はその方がいいっていうんだね」
「戦いはこれで最後だ」
「それだけに相手もね」
「これまでの相手とは違う」
 言うのはこのことだった。
「比較にならないまでに強い」
「だからこそだね」
「一つに戻るか」
 御互いに話す。そうしてだった。
 目玉はだ。自然にだった。死神の中に入った。するとだ。
 死神の身体の色が変わった。髪がだ。
 白銀になった。あの戦う時の白ではなくだ。白銀になった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ