第五十七話 挨拶その十
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そしてだ。他の魔神達もだ。彼と共に全員いた。その彼等が二人に言うのだった。
「最後の最後」
「それではだ」
「行くわよ」
「そうだな。行くとするか」
「ではな」
「これからだ」
他の魔神達も言う。そしてだ。
彼等はだ。死神に対してだ。こう言ってきた。
「それでだが」
「いいだろうか」
「考えがあるのだけれど」
「考えだと?」
死神もだ。彼等に目を向けて述べた。
「一体どういう考えだ」
「眠りの神です」
老人がその名前を出してきた。
「その神ですが」
「僕のこと?」
目玉がだ。ここで出て来た。
そしてだ。彼も魔神達に話すのだった。
「僕がどうしたの?」
「眠りと死は同じものですね」
「まあそうなるね」
死神は老人のその言葉に声で頷いた。
「実際のところ」
「貴方達は元は同じでもあります」
「その通りだ」
「うん、そうだよ」
死神と目玉が同時に答えた。老人の今の言葉にだ。
「私達は元は同じだった」
「生まれた時は同じだったんだ」
「言うならば双子だ」
「それが僕達だよ」
「そうですね。それではです」
老人はさらに言葉を続けていく。そうしてだ。
彼等を見ながらだ。こんなことを言うのだった。
「一つになられてはどうでしょうか」
「ここでか」
「一つになんだ」
「戻られてはどうでしょうか」
また言うのであった。
「そうされては」
「そうだね」
目玉がだ。最初に老人の言葉に応えた。
「その方がいいかもね」
「納得してくれますか」
「そうできるものは見つけたよ」
目玉の返事の声が笑っていた。
「確かにね」
「それでは」
「じゃあさ」
目玉は今度は死神に対して問うた。
「それでいいかな」
「そうだな。私もだ」
「今はその方がいいっていうんだね」
「戦いはこれで最後だ」
「それだけに相手もね」
「これまでの相手とは違う」
言うのはこのことだった。
「比較にならないまでに強い」
「だからこそだね」
「一つに戻るか」
御互いに話す。そうしてだった。
目玉はだ。自然にだった。死神の中に入った。するとだ。
死神の身体の色が変わった。髪がだ。
白銀になった。あの戦う時の白ではなくだ。白銀になった。
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