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髑髏天使
第五十七話 挨拶その九

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 その彼がだ。言うのであった。
「絶対にな」
「そうよ。じゃあハーゲンダッツね」
「それだな」
「食べようね。一家団欒でね」
 最後に言った未久だった。そうした話をしてだ。
 牧村は知り合い全てての挨拶を終えた。そのうえでだ。
 深夜にサイドカーを出した。その横に彼が来た。
「来たか」
「挨拶は全て終わったか」
「終わった」
 実際にそうだとだ。彼は死神に答えたのだった。
 死神は黒いライダースーツにヘルメットである。そしてあのハーレーだ。そのハーレーを飛ばしながらだ。牧村の横に来て問うてきたのだ。
 そしてその問いにだ。牧村も冷静に答えるのだった。
「全てな」
「では思い残すことはないな」
「挨拶をした」
 牧村の声にだ。今度は素っ気なさが宿った。
「それだけだ」
「その口調はだ」
 死神の声が変わった。そのうえでの今の言葉だった。
「帰ることは絶対だというのだな」
「そうだ、絶対だ」
「そうか。必ずだな」
「俺はまた帰る」
 牧村は言うのだった。
「この世界にだ」
「わかった。では私もだ」
「貴様も帰るか」
「そうだ、帰る」
 牧村はまた言った。サイドカーを駆りながら。
「戦いを終わらせた」
「いいことだ。死ぬとは思わないな」
「全く思わない」
「私と同じだな」
 死神は声に笑みを含ませて話した。
「私もだ。死ぬことはない」
「絶対にだな」
「そうだ、絶対にだ」
 まさにだ。そうだというのである。
「この世界に帰る」
「混沌との戦いを終わらせ」
「そのうえで帰る」
「よし、それではだ」
「行くとしよう」
 こんな話をしてだ。彼等は先に進むのであった。そして進むうちにだ。
 やがてだ。暗黒の世界に着いた。その闇は。
 蠢く闇だった。その闇こそがだ。
「混沌の闇だな」
「それ以外の何者でもない」
 死神が牧村に答えた。
「こここそがだ」
「俺達の最後の戦場か」
「そうなる。そしてだ」
「来ているのは俺達だけではないな」
「そうだ。既に来ている」
 それはだ。誰かというとだ。
「魔神達はな」
「はい、来ています」
 ここでだ。老人の声がしてきた。
「御待ちしていました」
「そうか。来ていたか」
「少し前にです」
 来たとだ。老人は姿を現しながら述べるのだった。
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