第五十六話 使長その十七
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「そして俺は生きる」
「そうだね。生きるんだよ」
目玉が死神の傍に出て来た。そのうえでだ。
彼に対してだ。親しげな声で言ってきたのである。
「君は絶対にね」
「その為にもだ。俺はだ」
どうするかを言うのだった。
「こうして突き進みだ。勝つ」
「私に対してなの」
「そういうことだ」
混沌の神にだ。また言葉を向けた。
「俺の今の力で。俺は生きる」
こう言ってであった。壁に体当たりをした。
壁はだ。それを受けてだった。
一撃でだ。突き破られた。そして神が驚く間もなく。
彼はさらにだ。神の身体を貫いた。それを受けると。
神の巨体に青白い炎が宿った。まさに勝負ありだった。
それを確認してからだ。神はここでようやく驚きの声をあげたのだった。
「まさか」
「運命は切り開かれた」
髑髏天使は神の身体を突き抜けてから反転した。そのうえで己が先程までいた場所に戻ってだ。着地してから述べるのだった。
「こうしてだ」
「私に勝ったのね」
「そうだ、勝った」
その通りだと言う髑髏天使だった。
「俺はまずは今は運命を切り開いた」
「私に勝つなんて」
「これが運命だ」
また運命と言ってみせる髑髏天使だった。
「この通りだ」
「わかったわ。けれどね」
「けれど。何だ」
「私に勝ったとしても。運命自体は」
「変わらないというのか」
「混沌の中心にいる神々」
彼女も含めてであった。それは。
「残り三柱は私なぞ及びもつかない存在だから」
「この天使長の力でもか」
「勝てはしないわ」
こう髑髏天使に告げるのである。
「絶対にね」
「俺は同じだ」
「同じ?」
「どの神に対しても同じだ」
そういう意味での同じだとだ。青白い炎に包まれていく神に対して告げるのである。
「運命を切り開いていく」
「ナイアーラトホテップはね」
この神の名前をだ。急に出してだった。
「私の夫であるけれど妻の私よりも遥かにね」
「強い力を持っているのか」
「既に封印は解かれたわ」
神は言う。
「混沌の中心の封印はね」
「何時の間に?」
それを聞いてだ。目玉が驚いた様に言った。
「あの二柱まで」
「そうよ。既にね」
「あの四柱だけじゃなかったんだ」
「我が夫の力を以てすればね」
ナイアーラトホテップだ。彼ならばだというのだ。
「それは可能なのよ」
「そうだったんだ。あの男が」
「ええ。じゃあ」
ここまで話してであった。神はだ。
青白い炎に包まれてだ。そうしてであった。
その中に消えようとしてだ。最後の言葉を髑髏天使達に告げた。
「名残惜しいけれどこれでね」
「死ぬか」
「そうよ。敗れた者は消える」
そうなるというのである。
「だからね。これで
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