第七話 九階その二十
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言葉が不意に鋭くなった。
「それを望んでいるわ」
「貴様、一体何を」
「私は強い存在を倒したいのよ」
ヘルメットから聞こえる声は不気味な笑いになっていた。
「それだけよ」
「だから俺に強くなれというのか」
「ええ」
こくりと頷いてきた。ヘルメットが縦に動く。
「その通りよ。それだけよ」
「そうか。わかった」
牧村は女の言葉を聞いただけだった。それ以上は聞こうとはしない。
「ではその時にだな」
「私もそのつもりよ」
「倒してやる」
強い言葉で女に告げた。
「その時にはな」
「こちらこそ。楽しみにしているわ」
「ふん」
最後は言葉は交えさせなかった。サイドカーを発進させそのまま帰るだけだった。カバラの謎と天使の関係、その二つが彼の中で胎動するのを感じながら。
第七話 完
2008・11・11
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