第五十六話 使長その十六
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「これがだ。九つの階級の上に立つだ」
「天使長か」
「ミカエルやガブリエルの力だ」
聖書にも出て来るだ。その天使達だというのだ。
「神に等しい力なのだ」
「そしてその力でか」
「俺は戦う」
「運命もだな」
「切り開く。そうする」
「では見せてもらおう」
死神はその髑髏天使に対して告げた。
「先に言った通りにな」
「そうさせてもらう。それではだ」
髑髏天使は身構えた。そのうえでだ。
彼は両手の剣、今度は一本ずつ持っているそれをだ。
一本にした時の様に巨大にしてだ。その剣にだ。
七色の光を注ぎ込んだ。それを一気に振る。するとだ。
酸がだ。その一振りでだ。
消えた。瞬く間にだ。それを見た神が思わず言った。
「まさか。私の酸を」
「これまでとは力が違う」
剣を振った髑髏天使の言葉だ。彼はこう言ったのだ。
「この力ならばだ」
「私を倒せるというのね」
「運命を切り開くことができる」
まさにだ。それができるというのだ。
「確実にだ」
「いえ、それはないわ」
神は気付いていなかった。今の自分の言葉は虚勢だということにだ。
そしてその虚勢でだ。神はまた言った。
「決してね」
「決してか」
「ええ、決してよ」
こう返すのである。気付かない虚勢のまま。
「運命は決まっているのよ」
「では確かめる」
髑髏天使はこうその神に返した。
「今からな」
「さあ、受けるがいいわ」
神はまた酸を出してきた。これまで以上に強くだ。
「この酸を受けて。溶けるのよ」
「手出しはいい」
髑髏天使は死神と魔神達に告げた。
「ここは俺がだ」
「一人で倒すというのか」
「そうだ、そうする」
こう死神に話すのだった。
「俺一人でだ。やる」
「言うものだな。それではだ」
「これでだ」
両手の巨大になっただ。
右手のサーベルも左手の剣もだ。今度はだ。
前に突き出した。両手で一度にだ。
それは神には届かなかった。しかし今度もだった。
神の酸を消し去った。剣にある虹色の光で。
髑髏天使は酸を消すとさらにであった。両手の剣を振り回しながら。
前に突き進む。彼はまさに虹色の竜巻になった。
そのうえで神に突っ込んでいく。それを見てだ。
神はだ。酸の壁を出そうとしてきたのである。
「これなら。どうかしら」
「壁か」
「これまでとは違うわよ」
こう言ってだ。その酸の壁を出してきたのだ。
「この壁は。簡単には」
「破れはしないというのだな」
「そうよ。私の力の全てを注ぎ込んだ壁よ」
見ればだ。これまでと密度が違っていた。
それは髑髏天使からもわかった。しかしだ。
彼はその壁に対して向かい続ける。そうして言うのであった。
「言
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