暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第五十六話 使長その五
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「これまでとな」
「難しく考えずにか」
「そのうえで使いこなす」
「わかった。それならだ」
「剣を使うのと同じじゃ」
 天使長の力と剣をだ。同じとするのだった。
「それとじゃ。同じじゃ」
「では。新たな剣でだ」
「最後の最後まで戦うのじゃぞ」
「そうさせてもらう。まずは次の戦いか」
「次の戦いは重要ですね」
 ろく子が話した。こうだ。
「天使長になれるか。そしてなってから」
「その力を使いこなせるか」
「神の力はかなりのものです」
 言うまでもないことだが、だ。ろく子は今はそれをあえて言ったのである。
「これまでの力とは全く違うので」
「しかしだな」
「はい、難しく考えずにです」
「使いこなすか」
「剣に例えればです」
 ろく子もだ。力を剣に例えてだ。話をするのだった。
「大きな、重くて」
「そして切れ味の鋭い剣か」
「そうなりますね。そうした剣です」
「それを俺が操る」
「そうなります。巨大で重い業物です」
 天使長の力はだ。そうしたものだと話される。
 その話をしてだ。ろく子だけでなく博士もだ。牧村を見て告げた。
「それを君が使いこなせば」
「必ず生きて戻れます」
「だから。頼んだぞ」
「使いこなして下さいね」
「そしてじゃ。今はじゃ」
「食べましょう」
 ここまで話してだ。話を戻してきた。
 メロンをだ。話に出すのであった。
「アイスクリームとブランデーと一緒にじゃ」
「牧村さんのブランデーはノンアルコールで」
「それで皆で食べるとしようぞ」
「楽しく」
 笑顔で話す二人だった。それを受けてだ。妖怪達がまた賑やかに話す。
「そうそう、メロンなんてね」
「ついこの前まで夢みたいな御馳走だったし」
「それがこうして簡単に食べられるなんて」
「凄い話だよ、これって」
「メロンはそうだったな」
 牧村も知っている話だ。かつてメロン、それにバナナは滅多に食べられないどころではなかった。最高の御馳走の一つだったのだ。
「かつてはな」
「決して何処かの尊師や将軍様の好物というだけではないぞ」
「そうだよ。あの連中が好きでもね」
「それでもだよ」
「美味しいのは変わらないし」
 妖怪達も笑顔で話す。ここでもだ。
「だからね。皆でね」
「皆で食べよう」
「食べることはじゃ」
 博士の言葉が哲学めいてきた。
「人生最大の喜びの一つじゃ」
「だよね。僕達にとってもね」
「妖怪生最大の喜びの一つだよ」
「最高の遊びだよね」
「そうだよね」
 食べることもだ。遊びだというのだ。
「生きる為に食べるんじゃないからね」
「食べる為に生きる」
「ひいては遊ぶ為に生きる」
「そういうものだからね」
「遊ぶ為にだな」
 牧村はその言葉に反応した。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ