第五十六話 使長その二
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「何がいいかな」
「メロンなんてどうかな」
塗り壁の言葉である。
「あれ、凄く美味しいよ」
「ああ、それいいなあ」
一反木綿が塗り壁のその言葉に賛成した。
「メロン、昔は高かったけれど」
「今はかなり安くなったしね」
「しかも味がよくなったから」
その味もだ。違ってきているというのだ。
そうした話をしてだった。実際にだ。
メロンが出て来た。皆でそのメロンを食べていく。当然博士と牧村もだ。だが博士はそのメロンを前にしてだ。こんなことを言った。
「最高のメロンの食べ方はじゃ」
「どんなの?」
「どんな食べ方なの?」
「アイスクリームじゃ」
ここでこれを出すのだった。
「それとブランデーじゃ」
「その二つも一緒に?」
「一緒に食べるんだね」
「メロンと一緒に」6
「この食べ方が最高に美味いのじゃ」
こう話すのだった。
「一度やると病みつきになる」
「そこまでいいんだ」
「アイスクリームとブランデーも」
「その二つも一緒に食べる」
「それがいいんだね」
「やってみるか?」
博士は妖怪達に対しても勧めた。その食べ方をだ。
「かなりいいぞ」
「そうだね。それじゃあね」
「僕達もね」
「やってみようかな」
「そうしようか」
妖怪達も博士の誘いに頷いた。そうしてだ。
彼等は牧村に対してもだ。こう話すのだった。
「どう?牧村さんも」
「この食べ方どう?」
「アイスクリームとブランデー」
「どうかな、メロンと一緒に」
「それでどうかな」
「アイスクリームはいいが」
牧村はまずはそれはいいとした。アイスクリームはだ。
「しかし。もう一つは」
「ああ、ブランデーね」
「お酒だからだね」
「だからそれは駄目なんだ」
「そうだ。酒は駄目だ」
これが牧村の返事だった。やはり彼は避けは駄目なのだ。
「だからブランデーはいい」
「ううん、残念だね」
「お酒がどうしても駄目なんだ」
「それこそ全然なんだ」
「一滴もなんだね」
「そうだ。一滴も飲めない」
とにかく酒は絶対に飲めない牧村だった。体質なのだ。
「ウイスキーボンボンもだ」
「それも飲めないんだ」
「そっちもなんだね」
「そうしたお菓子も」
「だからそれはいい」
あらためてだ。ブランデーは断った彼だった。
「そういうことでな」
「いや、待ってくれ」
しかしである。ここで博士が話に加わったのだった。
そうしてだ。彼はこう牧村達に話す。
「アルコールがないブランデーならどうじゃ」
「えっ、アルコールなし?」
「そういうお酒もあるんだ」
「そうなんだ」
「うむ、最近そうしたものもある」
実際にそうだとだ。博士は妖怪達に話す。牧村は今は沈黙している。その彼には話
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