暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第五十六話 使長その一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

                   髑髏天使 
                 第五十六話  使長
 またあの研究室でだ。博士が牧村に話していた。
「そうか、あそこで出したか」
「急に出た」
 牧村が博士に対して話す。
「俺も想像しなかった」
「そのパターン自体はいつも通りだよね」
「そうだよね」
 一つ目小僧と雨ふり小僧がここで話す。
「一ランク上の天使になる時とね」
「同じだよね」
「そうじゃな。同じじゃな」
 その通りだとだ。博士も述べるのだった。
「全く以てのう」
「けれどさ。これまでとは違うよね」
「だよね」
 その一つ目小僧と雨ふり小僧が話す。雨ふり小僧は部屋の中だというのにである。その頭に被っている古い傘が濡れている。
 その彼等がだ。話すのであった。
「九つの階級よりさらに上だから」
「天使の階級ってまだあったんだ」
「九つだけじゃなかったんだ」
 豆腐小僧もそれを言う。
「まだあったんだ」
「今度は天使長だったっけ」
 垢舐めも言う。
「それだったっけ」
「そうじゃ。実はじゃ」
 ここで話す博士だった。妖怪達だけでなく牧村にもである。
「天使達をまとめるじゃ。天使長という存在がおるのじゃ」
「天使長ねえ」
「何か凄く偉そうというか強そうだけれど」
「そういうのもいるんだね」
「そうなんだね」
「左様じゃ。天使達をまとめ神の傍にいる存在じゃ」
 それがだ。天使長という存在だというのである。
「ミカエルとかガブリエルという名前の天使がそれにあたる」
「あれか」
 牧村はそうした名前を聞いて口を開いた。
「あの天使達か」
「そうじゃ。名前は聞いておるな」
「有名だからな」
 それでだ。知っているというんである。
「ミカエルにしろガブリエルにしろな」
「その強さはまさに神に匹敵する」
 博士はその強さについても述べた。
「そう文献には書かれている」
「それにか」
「古代ヘブライの文献じゃ」
 これまただ。かなり古いものだった。実際にその机の上にだ。パピルスか何かに書かれてたと思われる。古代ヘブライ文字の文章があった。
 それを読みながらだ。博士は牧村に話すのだった。
「これじゃがな」
「ヘブライか、今度は」
「その天使の本場じゃ」
「そうだったな。確かな」
「ここに書いておる。天使長となった髑髏天使の力は」
 具体的にだ。どういったものかというのだ。
「神に匹敵する。それこそじゃ」
「それこそか」
「これまでのどの天使なぞ比較にならん」
「今の天使でもか」
「うむ、それ以上じゃ」
 まさにだ。そうだというのだった。
「遥かにじゃ」
「では。その力でか」
「最後まで戦うな」
「そうさせてもらう」
 強い言葉でだ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ