第五十五話 魔水その十九
[8]前話 [2]次話
「安心してよいぞ」
「この戦い勝てるからね」
「そうだな、先に言った通りだ」
「勝つのは私達だ」
髑髏天使と死神の言葉は強いものだった。
「このままやらせてもらう」
「そして貴様を倒す」
「おのれ」
二人に対してだ。神が今言ったのは。
呪詛だった。最早それしか言えなかった。
「我を滅ぼすか」
「最初からそのつもりだ」
「それは言ったと思うが」
こう返す二人だった。
「だからこそこうしてだ」
「仕掛けている」
「そうか。これでは」
神の口調がだ。変わった。
そしてだ。攻撃が次第に弱くなりだ。
神の動きが衰える。それを見てだ。百目が言った。
「このままですね」
「攻めるか」
「そうしろというのだな」
「そうです。そうするべきです」
さらなる攻撃をとだ。彼は二人に話したのだった。
「無論我々もそうします」
「わかった。それではだ」
「ここで」
二人はさらにだった。風を出し炎も出す。その二つがだ。今一つになった。
風が炎を乗せ吹き荒れる。それを受けてだ。
神からも炎が出た。その炎は。
赤と青、それこそがだった。
「まさか。このまま」
「そうだ。貴様は倒れる」
「このままな」
二人が神に告げる。
「その炎が何よりの証拠だ」
「滅びるのは貴様だ」
「まだだ」
しかしだ。神はだ。ここでだった。
全身に何かを宿らせた。そのうえでだ。
禍々しい、濁った様々な色の水を全身から出した。それによってだ。
二人だけでなく魔神達をも襲う。そうしてきてだ。
「滅びるのならばだ」
「最後の攻撃か!?」
「それを」
「それを仕掛けて来たか」
「只で滅びるつもりはない」
神は魔神達に対しても述べた。
「貴様等もまた。道連れだ」
「まずいですね」
「そうだね。これはね」
クマゾッツが百目の言葉に頷いた。
「これだけの水が来るとなると」
「危険だね」
「防ぐにもです」
どうなのか。百目が言う。
「水の量が多過ぎます」
「向こうも。命を捨てて仕掛けて来たから」
「風も炎も追いつかない」
バジリスクはどちらも出している。しかしだ。
そのどちらもがだ。間に合わなかった。
今の神の水を防ぐにはあまりにも少ない。そしてだ。
髑髏天使も死神も魔神達もだ。水に包まれた。神の水に。
水のその輪の中で。神の声がする。
「このまま貴様等を全て」
「道連れにするか」
「そうだ、滅びるのだ」
神の声が死神に答える。
「我と共にだ」
「ううん、何とかしないといけないけれど」
馬と同化している目玉も言う。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ