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髑髏天使
第五十五話 魔水その十九

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「安心してよいぞ」
「この戦い勝てるからね」
「そうだな、先に言った通りだ」
「勝つのは私達だ」
 髑髏天使と死神の言葉は強いものだった。
「このままやらせてもらう」
「そして貴様を倒す」
「おのれ」
 二人に対してだ。神が今言ったのは。
 呪詛だった。最早それしか言えなかった。
「我を滅ぼすか」
「最初からそのつもりだ」
「それは言ったと思うが」
 こう返す二人だった。
「だからこそこうしてだ」
「仕掛けている」
「そうか。これでは」
 神の口調がだ。変わった。
 そしてだ。攻撃が次第に弱くなりだ。
 神の動きが衰える。それを見てだ。百目が言った。
「このままですね」
「攻めるか」
「そうしろというのだな」
「そうです。そうするべきです」
 さらなる攻撃をとだ。彼は二人に話したのだった。
「無論我々もそうします」
「わかった。それではだ」
「ここで」
 二人はさらにだった。風を出し炎も出す。その二つがだ。今一つになった。
 風が炎を乗せ吹き荒れる。それを受けてだ。
 神からも炎が出た。その炎は。
 赤と青、それこそがだった。
「まさか。このまま」
「そうだ。貴様は倒れる」
「このままな」
 二人が神に告げる。
「その炎が何よりの証拠だ」
「滅びるのは貴様だ」
「まだだ」
 しかしだ。神はだ。ここでだった。
 全身に何かを宿らせた。そのうえでだ。
 禍々しい、濁った様々な色の水を全身から出した。それによってだ。
 二人だけでなく魔神達をも襲う。そうしてきてだ。
「滅びるのならばだ」
「最後の攻撃か!?」
「それを」
「それを仕掛けて来たか」
「只で滅びるつもりはない」
 神は魔神達に対しても述べた。
「貴様等もまた。道連れだ」
「まずいですね」
「そうだね。これはね」
 クマゾッツが百目の言葉に頷いた。
「これだけの水が来るとなると」
「危険だね」
「防ぐにもです」
 どうなのか。百目が言う。
「水の量が多過ぎます」
「向こうも。命を捨てて仕掛けて来たから」
「風も炎も追いつかない」
 バジリスクはどちらも出している。しかしだ。
 そのどちらもがだ。間に合わなかった。
 今の神の水を防ぐにはあまりにも少ない。そしてだ。
 髑髏天使も死神も魔神達もだ。水に包まれた。神の水に。
 水のその輪の中で。神の声がする。
「このまま貴様等を全て」
「道連れにするか」
「そうだ、滅びるのだ」
 神の声が死神に答える。
「我と共にだ」
「ううん、何とかしないといけないけれど」
 馬と同化している目玉も言う。
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