第七話 九階その十八
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「あんたもこれが最後だからな」
「上に飛べないのならそれはそれで闘い方がある」
また言う髑髏天使だった。
「それを見せてやる」
「むっ!?」
「行くぞ」
羽ばたいた。二つの翼が大きく動いた。
そして宙にあがる。そのうえで地面の上を滑るように滑空してきた。
「何っ!?」
「飛ぶのは何も上で舞うだけではない」
滑空しながらの言葉だった。身体はコンクリートと並行にさせ顔だけをナックラ=ビーに向けている。そのうえで両手に剣を持っていた。
「こうして。滑ることもできる」
「まさか・・・・・・そう来るっていうのかよ」
「これならばどうだ」
思わず動きを止めてしまったナックラ=ビーに対して問う。
「少なくとも機動力では貴様に勝っているぞ」
「それがどうしたってんだよ」
ナックラ=ビーはその彼に対して言葉を返した。しかしその声には強がりがありやはり彼の動きを見て狼狽があるのだった。
「俺にはまだな。力があるんだぜ」
「力か」
「そうさ。これだよ」
言いながら自分の左手にあったコンクリートの柱に拳を入れた。するとそれだけで柱は粉々に砕け散り破片となってしまった。やはり恐るべき力だった。
「力で。負けてはいねえぜ」
「それはわかっている」
それを見ても動じてはいない髑髏天使だった。
「当然な」
「何を言っても動じてはいないんだな」
「動揺はそれだけで死を意味する」
こう返す髑髏天使だった。返しながらその両手に持つ剣でナックラ=ビーに切りかかりそのまま離れていく。ダメージは与えられなかったがそれでもだった。
そのうえで間合いを離してから反転してまた向かって来る。柱と柱の間を縫うようにして飛びつつ。地下のコンクリートの玄室で天使は光となって舞っていた。
「だからだ。それはしない」
「へっ、何かむかついてきたぜ」
その言葉に苛立ちが混ざってきていた。
「あんたのその態度な」
「この程度でか」
「この程度!?また言うね」
言葉の苛立ちが余計に増してきていた。
「俺をここまでイライラさせておいてよ」
「それは貴様のことだ」
「俺のことかよ」
「俺はそうなってはいない。それだけだ」
「へっ、個人主義者ってわけかよ」
「さあ、どうする」
飛び回りながらナックラ=ビーに対して問うた。
「俺に対して。どう攻める」
「馬鹿にするなよ」
言葉に怒気を含ませるとその前足の蹄を鳴らしてきた。
「俺だってな。こうして」
「むっ!?」
「脚があるんだよ。行くぜ」
こう言ってまた突進してきた。彼が正面に来たところで。
「こうするんだよ。受けな」
「ふんっ」
しかし髑髏天使はすぐに柱と柱の間に入りそこで飛翔する。少なくとも小回りにおいては彼は馬であるナックラ=ビーのそれを
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