第七話 九階その十七
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しかねえぜ」
言いながらまた拳を振ってきた。今度は右に跳びまたかわすことができた。
「脚が二本しかねえのに四本に勝てるわけねえだろうが」
「いや、勝てる」
しかし髑髏天使はここで言った。
「勝てる。それでもだ」
「ほお」
今の言葉を受けてまたせせら笑ったナックラ=ビーだった。
「そうそう行くかね?上手く」
「俺にはこれがある」
その言葉と共にだった。髑髏天使の身体が再び輝きその背に翼が生える。そのうえで左手にサーベルが姿を現わす。大天使の姿だった。
「大天使ってわけか」
「これならば。貴様の力にも」
「さて、それはどうかな」
馬鹿にした笑みでその首をぐるぐると回しながらの言葉だった。
「そう上手くいくかね。ここは何処なんだ?」
「地下の駐車場だ」
「その通りさ。飛べる場所じゃねえぜ。わかってんだろ?」
「無論だ」
それをわかっていなくてここで闘っているわけではない。満足に飛ぶことができないのはわかっていた。しかしだったのだ。
「それでもだ。これで行く」
「あんた。何考えてんだ?」
「天使と大天使の力は違う」
まずこう答えた。
「それはな」
「!?今更何言ってんだ?」
「それに今の剣は二本。一本ではない」
「だからってわけかい」
「そういうことだ。ではわかったな」
「まあわかってやるさ」
大天使を前にしてもその自信は変わらなかった。最早自分が勝つと信じて疑っていないことがわかる。そんな声と酷薄な笑みだった。
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