第五十四話 邪炎その二十
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「だからこそですね」
「その通りだな。それはな」
「全ては文化があってこそ」
「その世界だからこそ。俺達は楽しめるのだ」
「そして遊べるのです」
「その通りだな」
死神がだ。彼等のその言葉に応えて述べた。
「混沌ではない」
「はい、混沌ではです」
「そうしたものを楽しむこともな」
「できません。ですから」
それでだとだ。老人は話すのだった。
「私達はこうして彼等とです」
「戦うな」
「そうします。それは貴方達と同じです」
「だが、だな」
今度はだ。牧村が彼等に言ってきた。
「混沌との戦いが終われば俺達と」
「いえ、それは」
「いえ、というのか」
「どうでしょうか。それは」
少しだ。曖昧な感じになっての返答だった。
「果たして。私達はこのまま」
「戦うのが魔物ではないのか」
「確かにそうですが。最近変わりました」
「戦うことよりもね」
子供もだ。ここで話すのだった。
「それよりもね」
「それよりもか」
「遊ぶ方が楽しくなってきたんだよ」
こう話すのであった。
「最近そっちの方がね」
「遊ぶ方が楽しいか」
牧村はそこに見た。はっきりとしたものをだ。
そしてそのはっきりとしたものをだ。魔神達に話した。彼等自身にだ。
「それではだ。妖怪と同じだな」
「そうですね。同じですね」
老人がだ。牧村のその言葉に対して述べた。
「確かにその通りです」
「妖怪に戻るのか」
「若しかすると」
老人はそれを否定しなかった。
「そうなるかも知れません」
「おかしな話じゃがな」
老婆は楽しげにだ。こう言うのであった。
「わし等はかつてじゃ」
「はい、戦いにのみ戦いを見出して」
「妖怪でなくなったのじゃからな」
「魔物の神、魔神になりました」
妖怪からだ。そうなったというのである。
「最初の魔物達として」
「それが貴様等か」
「はい、そうです」
その通りだと話す老人だった。それが彼等のはじまりだったのだ。
「それが我々魔神であり魔物だったのです」
「そしてそのわし等にじゃ」
老婆がここでまた牧村達に話す。
「対する存在として。出て来たのがじゃ」
「俺か」
「そうじゃ。髑髏天使じゃ」
他ならぬだ。彼だというのだ。
「天界の神がじゃ。わし等がこの世を戦いで覆うことを防ぐ為にじゃ」
「俺を生み出したのか」
「五十年に一度この世に出てだ」
紳士が話す。
「戦いにのみ楽しみを見出す魔物を倒しこの世を安定させる存在がだ」
「髑髏天使か」
「そうだったのか。生み出したのは天界の神だ」
その神がだ。何かということも話される。
「あの。荒野から出た神だ」
「あの神か」
「その通りじゃ。だから天使だったのじゃ」
その天使だった
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