第五十四話 邪炎その十六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「この炎は普通の炎よりも熱いですね」
「白い炎よりも」
「そうです、この灰色の炎は」
まさにだ。神のその炎はというのだ。
「赤いものや青いものはおろか」
「白い炎よりも」
「熱いです」
「そんなに凄いんだね」
「触れれば。いえ」
百目の言葉は確かなものだ。
「かするだけで、です」
「焼けちゃうんだね」
「そうなります。気をつけて下さい」
「わかったよ。それじゃあね」
「かわされるのは危険です」
百目のクマゾッツへの忠告であった。
「ご注意を」
「そうだね。それじゃあ」
クマゾッツは百目の言葉を受けてかわすのを止めた。それでだ。
そのうえでだ口から光を放ってだ。それで炎を相殺するのだった。
彼等はそれで防戦一方になっていた。そしてそれは。
髑髏天使と死神もだった。彼等もだ。
それぞれ周囲に水の防壁を出し炎の攻撃を防いでいた。そうしながらだ。
神の隙を窺う。しかしだった。
その隙は見えなかった。全くだ。
「まずいな」
「そうだな。隙がない」
「これはだ。思った以上にだ」
「厄介か」
「この攻撃はだ」
また話す神だった。
「これで終わりではない」
「増えるか」
「そう言うのか」
「そうだ、増える」
こう話すのだった。
「実際にそうしてみせよう」
言葉と共にであった。その炎がだ。
さらに増えた。髑髏天使達がいるその空間にだ。炎の渦が増す。そしてそのうえでだ。髑髏天使や魔神達をさらに襲うのであった。
魔神達は最早相殺させることを諦めてだ。そのうえでだ。
彼等も光を出しそれで炎を防ぐ。光の球体の中に入ってだ。そのうえで防いでいるのだった。
だがそれで精一杯だった。防ぐことでだ。
「力も何もかもな」
「この防壁に使うしかない」
「どうする?ここは」
「このまま防ぐだけしかできないのかしら」
「そうだ、その通りだ」
魔神達にだ。神が告げる。
「そしてその球体もやがて壊れる時が来るな」
「確かにな。それはだ」
「このままではね」
「この球体も壊れる」
「そうなれば」
「余の勝利だ」
神は簡潔に言った。
「このままだ。貴様は死ぬ」
「そうだな。このままではな」
「我々の敗北だ」
髑髏天使と死神が神のその言葉に応えた。
二人はそれぞれ水の球体の中に入って炎を防いでいる。炎と水が打ち合い蒸気が沸き起こる。蒸気のその色は白かった。
その蒸気の中でだ。彼等は神を見ていた。そしてだった。
強い目でだ。彼等は言った。
「だが、だ」
「このままやられるつもりはない」
「倒せない敵なぞいない」
「だからこそな」
「ではどうするつもりだ」
神は二人の言葉を受けてだ。その灰色に濁った光を放つ目を向けた。
「この状
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ