第五十四話 邪炎その一
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髑髏天使
第五十四話 邪炎
魔神達は人の姿でだ。百貨店の中のあちこちを回っていた。そしてだった。
そのうえでだ。彼等はだ。楽しい顔をしていた。
その中で子供がだ。こう老人に声をかけた。
「ねえ百目」
「何でしょうか」
「今度はどのお店に入る?」
笑顔でこう老人に尋ねたのだった。
「一体さ。どのお店にするの?」
「そうですね。本屋はどうでしょうか」
「本屋?じゃあ漫画でも読もうかな」
「クマゾッツは漫画が好きでしたね」
「うん、大好きだよ」
実際にそうだという子供だった。
「野球漫画が特にね」
「野球漫画か」
大男がそれを聞いて述べた。
「そうだな。野球はな」
「逆さ男も好きだな」
「そうだ。観ていて実に楽しい」
その通りだとだ。大男はロッカーに話した。
「他にはアメリカンフットボールか」
その球技の名前も出て来た。アメリカで人気の、非常にハードなスポーツだ。その激しさは格闘技だと言ってもいい程である。
「あれもいいな」
「そうか。あれも好きか」
男が大男の言葉に応えて言ってきた。
「あのスポーツも」
「スポーツはいい」
実際にこう言う大男だった。
「観ているだけでな。それだけで楽しくなる」
「するのはどうだ」
「そちらか」
「そうだ。それはどうだ」
「嫌いではない」
こう男に答えた。
「そちらもか」
「そうか」
「そうだ。ただプロになることはだ」
「興味がないか」
「なれるかも知れない」
人間に化けてだ。それは可能だというのだ。
「しかしそこまではだ」
「しないか」
「金には困らない」
以前牧村達に見せたその事情からのことだ。
「だからだ」
「それはしないか」
「そうだ。ただ純粋に楽しむだけだ」
それだけだというのである。
「俺はただそれだけだ」
「そうか」
「そういうことだ。さて」
本屋に向かう。そうしてだ。
大男は野球に関する雑誌を買った。その中でまた仲間達に話した。
「この雑誌がいいな」
「週刊ベースボールね」
「この雑誌は実に面白い」
今度は美女に対して述べていた。満足している顔でだ。
「勉強にもなる」
「野球の勉強になの」
「そうだ。野球は勉強のしがいがある」
そうしたものだとだ。大男は話すのだった。
「この国には十二の球団があるが」
「そうですね。多いでしょうか」
老人は囲碁の雑誌を見ている。それを読みながら話す。
「日本に十二のプロ野球の球団は」
「少ないだろうな」
「少ないですか」
「チームはもっと多くていいだろう」
こう老人に話すのだった。
「減らすのは持っての他だ」
「そういえば以前そ
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