暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第五十三話 怪地その二十四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「食べようね」
「そうだな。それではだ」
「どんなアイスを作ってくれるのかな」
「抹茶アイスはどうだ」
 それはどうかというのである。日本独自のアイスの一つだ。
「あれはどうだ」
「いいわね。私あれ好きなのよ」
「ではそれをな」
「期待してるからね」
「わかった。それとだ」
 ここでだ。妹を見てだ。こうも言った兄だった。
「牛乳をくれ」
「御兄ちゃんも飲むの」
「牛乳は美味い」
 最初の理由はこれだった。
「そしてだ」
「そしてなの」
「身体にもいい」
 それで飲むというのである。
「飲んでいて損はない」
「そうよね。飲んだら背も高くなるしね」
「だが御前は背は」
「ああ、私はそれはね」
 いいとだ。笑顔で兄に話すのだった。
「実際にそうだけれどね」
「しかし他のことでか」
「そう。カルシウムがあるし」
 牛乳はカルシウムの塊である。その他の栄養も当然ながら豊富である。
「だからね」
「それでだな」
「そう。体操もしっかりとした身体がないとね」
 未久はにこりと笑って述べた。
「いざって時に怪我とかするから」
「怪我だな」
「体操もね。怪我が怖いのよ」
 未久の顔がここでは真剣なものになった。
「骨折とかもあるし」
「筋や腱もだな」
「そうそう。ぶちっとかいったら怖いのよ」
 こう兄に話す。
「だから。そうならない為にもね」
「牛乳も飲むか」
「そうしているのよ。御兄ちゃんよね」
「そうだ。食べることも強くなるうちの一つだ」
「そうよね、本当に」
「しかし。御前はそれでもだ」
 また妹を見る。そうして今度言う言葉は。
「アイスキャンデーはな」
「独占し過ぎだっていうのね」
「そうだ。あまりにもな」
「だからアイスクリームは残してるじゃない」
「だからいいか」
「そう思うけれど?」
「全く。勝手な話だな」
 そうは言ってもだ。しかしだった。
 結局のところ妹の言葉を受け入れた。そうしてだった。
 牛乳を受け取って飲んでだ。それからだった。
 牧村はだ。牛乳を飲みながらまた話した。
「今度は俺でアイスキャンデーを買う」
「それで自分で食べるの」
「そうする、食べたい時はな」
「うん、それがいいわね」
「家にあると御前が全部食べるからな」
「実際食べるわよ」 
 悪びれずにだ。堂々と言い切る未久だった。
「あればね」
「我慢するしかないか、俺が」
「我慢はしなくていいけれど」
「しかし御前は家にあるアイスキャンデーは」
「家にあるのを食べるだけよ」
「俺が買ったものは食べないか」
「家にないとね」
 その場合はというのだ。やはり悪びれない。
 そして悪びれない未久は兄と共に牛乳を飲んでいく。確かに言い合いはする。しか
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ