第五十二話 死風その十二
[8]前話 [2]次話
だが神はそれを見ても動かない。そしてだった。
「無駄だな」
「まだそう言うのだな」
「言えるか」
「言える」
身動き一つしないままでの言葉だった。
「では。神の障壁でだ」
「防ぐか」
「そうするか」
「こうしてだ」
言った。そうしてその障壁で防いだ。筈だった。
ところがそうはならなかった。障壁は砕かれそして。
剣と鎌がだ。彼の身体を貫いた。それを受けてだ。
神は今になってだ。驚きの声をあげたのだった。
「ば、馬鹿な」
「俺達の言葉通りになったな」
髑髏天使が神に対して述べた。
「こうしてな」
「我が。その程度の攻撃で」
「確かに一撃では無理だった」
「私にしてもだ」
髑髏天使だけでなく死神も述べる。
「しかし貴様はこれまでにも攻撃を受けていた」
「そのダメージが蓄積されていた」
そうだというのである。
「だからこうしてだ」
「貴様を倒せたのだ」
「どれだけ小さな攻撃でも傷は受けるか」
神は二人の言葉を聞いてこう述べた。
「つまりはそういうことだな」
「如何にも。その通りだ」
「これでやっとわかったな」
「忌々しいがそう答えておこう」
剣と鎌に貫かれたまま。神は述べた。
「まさか。ここで敗れるとはな」
「まずは一柱」
「風は倒した」
髑髏天使と死神は神の巨体が青と赤の炎に包まれていくのを見た。それこそがその証であった。
「これでな」
「間違いなくだ」
「そうだな。我はこれで消える」
神もそのことを認める。
「思わぬことだが」
「では。安心して消えて下さい」
百目もまた彼に告げてきた。穏やかな声はいつも通りであった。
「そうしてそのうえで」
「後の三柱の神々はこうはいかぬ」
神は炎に包まれながら述べた。
「それは言っておこう」
最後にこう言ってだ。二色の炎に完全に包まれたのだった。そうしてそのうえで彼は完全に消えた。それと共に世界は元に戻った。
するとだ。魔神達は人間の姿にもう戻っていた。それでだ。
「貴方達もです」
「もういいじゃない」
こう髑髏天使達に言ってきたのである。
「戦う姿はもう終わりにして」
「それでね」
「そうだな」
「言われてみればな」
ここで二人も頷く。そうしてだった。
二人共元の姿に戻った。そのうえで魔神達に言葉を返すのだった。
「こうしてだな」
「それでだな」
「はい、そうです」
「それでいいよ」
二人に老人と子供が言ってきた。
「とにかく。今回の戦いはこれで終わりです」
「これでね」
「まずは一柱だな」
「そうだな」
二人もここで言う。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ