第五十二話 死風その七
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「この我を倒すと言えることがだ」
「それがだというのか」
「貴様はそれが面白いというのか」
「我を倒すことはできはしない」
これが神の言葉だった。
「何があろうともだ」
「貴様にも言おう。可能性が皆無でなければだ」
「皆無ではないと思っているのだな」
「そうだ、皆無ではない」
それを否定してからの言葉なのだった。
「決してだ」
「そうだ。それは決してだ」
死神も彼のその言葉に頷いた。彼の横から。
「そして皆無でないならだ」
「それは確実なものにできる」
「我を確実に倒すか」
「今からそうする」
牧村は神のその巨大な目を見ながら述べた。
「いいな、今からだ」
「私もいる。ならばだ」
「やろうね」
目玉も続いてだ。そうしてであった。
彼等はここでだ。それぞれ変身に入るのであった。
「今からそれをはじめる」
「いいな」
こう言いながらであった。二人は姿を変えていく。
牧村の拳が胸の前で打ち合わされ死神の右の拳が胸の前に置かれる。
それと共に二色の光が起こりだった。
「行くぞ」
「はじめるとしよう」
右手が握りなおされ鎌が一閃される。それが合図であった。
二人は戦う姿になった。そのうえで神に対するのであった。
そしてそこで、であった。
「お待ち下さい」
「むっ!?」
「その声は」
「はい、私達です」
何とだ。戦いの場にだ。彼等がいたのだ。
老人だけではない。魔神達が全ていた。離れた場所から双方を見る位置にいたのだ。
そしてそのうえでだ。老人が二人に言うのであった。
「お邪魔させてもらいます」
「どういうつもりだ」
髑髏天使は既に六枚羽根の黄金の姿になっている。そのうえで言うのであった。
「何故ここに来た」
「戦うつもりか」
死神も彼等に問う。彼もまた漆黒の姿になっている。
「我々と」
「それがお望みでしょうか」
老人は楽しげに笑いながら二人にまた言ってきた。
「私達との戦いは」
「貴様等がそれを望むならだ」
「そうしてもいいのだがな」
こう返す二人だった。
「それはどうするのだ」
「貴様等次第だ」
「いえ、私達にとってもです」
ここでだった。党人派笑顔のまま話すのであった。
「混沌の神々のことは問題なのです」
「問題か」
「そう言うのだな」
「はい、そうです」
まさにそうだという老人だった。
「ですからここは」
「どうするというのだ」
男の声がしてきた。
「それで」
「知れたことです。戦います」
老人は今度はだ。その男の声に対して告げたのであった。
「貴方達とです」
「我々にとってはだ」
ハストゥールの言葉だ。彼にしても魔神達を見ていたのだ。
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