第6話 山賊狩りの正体
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人で抱え込まず、父上や私に相談しない。私達では頼りないのですか?」
「い、いえ!そんなことはないです」
「でしたらもっと子供らしく親を頼りなさい。ただでさえ、お前は何事も自分やろうとするところがあります。今回などその最たるものです。正直、単身あなたが山賊の中に現れたときは、心臓を押しつぶされるような想いでしたよ。でも」
母上は私の正面に周り、私の目線で顔を真っすぐ見ながら話しかけてきました。
「あのときのお前は凛々しかったですよ。多分、あなたの親でなかった一目惚れしていたと思います」
母上はやさしく微笑んでいました。
「な、何っ!」
父上が母上が言った「一目惚れ」という言葉に反応しました。
「あなた本気に取らないでください。それ程までに凛々しかったということです。あの時の正宗は本当に勇ましく凛々しかったのですよ」
父上は罰が悪くなったのか背を向けて言いました。
「正宗、今回のことは都督殿に伝えておくのだぞ。私からも話しておくが、今回の件では都督殿には迷惑を掛けてしまったからな」
都督のジジには無駄骨を折らせてしまい悪いことをしてしまいました。
「はい、父上分かりました」
「うむ」
翌日、都督のジジにも父上達に話した内容を話しました。
「がぁはは、はは、若君は勇ましゅうございますな!いつの間にかに立派になられましたな。お気になされることはありませぬぞ。奥様が無事で何よりですからな。若君と戦場で轡を並べる日が楽しみでございますぞ!」
都督のジジは怒るどころか嬉しそう笑っていたのが印象的でした。
数日後、山賊を殲滅した場所に、私と都督のジジ、小数の兵士を連れ向かいました。
一応、検分をする必要があるとのことでした。
私は馬にまだ乗れないので、都督のジジと一緒に馬に乗っています。
現場に到着すると、兵士達はその惨状を見て驚愕していました。
私も冷静になって見ると、やり過ぎたなと後悔しました。
山賊達に同情の気持ちはないですけど。
死んだ山賊達は人の原型を留めていないです。
頭がない死体。
両腕と片足がない死体。
腰から上がない死体。
他にも口で表現できないような状態の死体がそこら中に散乱しています。
獣が荒らした痕跡もありましたが、それを差し引いても酷い惨状でした。
都督のジジもここまでとは思っていなかったようで引いていました。
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