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髑髏天使
第五十一話 解放その十三

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「私と」
「俺がそうする」
 また髑髏天使が続いた。二人は呼吸を合わせてだ。そのうえで神と対峙する。しかし神は今も余裕を見せてだ。こう言ってきたのであった。
「ではだ」
「それを見せてみろ」
「今それをだ」
「そしてだ」
「倒せるというのなら倒してみるのだ」
 それぞれの頭で告げていく。
「さあ、今こそだ」
「どうして倒す」
「この神を」
「見せてもらおう」
「ではだ」
「行くぞ」
 二人同時に構えて。そしてであった。
 髑髏天使はその二刀を一つにして十字の巨大な剣にした。死神もまただった。
 その大鎌をとてつもなく巨大なものにさせた。その大きさは。
「己の倍以上にするか」
「その鎌を」
「そうしてか」
「そうだ。倒すのだ」
 あまりにも巨大になった鎌を両手に持っていた。柄はそのままだが刃が途方もなく巨大なものになっていた。その鎌を持ちながらの言葉だった。
「この鎌でだ」
「俺もこの剣でだ」
 髑髏天使もその剣を手にして言う。
「行くぞ」
「これでだ」
「断ち切られようともだ」
「それでも神は死なない」
「それは言っておく」
 また告げる。それぞれの頭で。
「それができないというのにどうする」
「どうして神を倒す」
「あるのか」
「あるから言うのだ」
 死神もだ。構えながらその自信を変えない。
「そういうことだ」
「ではだ」
 髑髏天使はその巨大な剣を上にやった。死神は左斜め下にやって構えた。そうしてそのうえで、であった。彼等は動いたのだ。
 それぞれその剣と鎌を投げた。剣は一直線に、鎌は激しく回転してそれぞれ神に対して向かう。その狙う先は。一点であった。
 神は動かない。その二つの死が来てもだ。
「それで倒せるのか」
「この神を」
「どうしてだ」
「倒すというのだ」
「こうしてだ」
 髑髏天使が応えるとであった。
 まず剣がだ。そこを貫いたのだった。続いて。
 鎌も来た。剣と同じ場所を貫いた。その鎌の先がだ。 
 貫いた先は心臓だった。そこだった。
 その貫いた先から赤黒い血が噴き出る。それこそが勝利の証であった。二人はその噴き出る異形の血を見ながら告げるのであった。
「勝負ありだな」
「これでな」
「まさかな」
 神の中央の頭が言ってきた。
「そうしてきたか」
「頭も胴も駄目ならばか」
「そこか」
「そこを狙ってきたか」
「心臓を狙えばだ」
 髑髏天使がその神に告げる。まだ噴き出る血を見ながらだ。
「生きているならばそれで終わりだ」
「そういうことだな」
 死神もそれに続く。
「心臓を潰せばだ。如何に不死といえどもだ」
「倒れる。そういうことだ」
「これでは回復も追いつかない」
 また中央の頭が言ってきた。
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