第五十一話 解放その九
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「同じなのは二つだけだ」
「その二つか」
「名前と姿だけか」
「その二つ以外に同じものはない」
こう二人に告げるのだった。
「それはわかるな」
「蛇ではなく神だからこそ」
「それでだな」
「そういうことだ。ではだ」
男はだ。二人に話し終えてから神に顔を向けてだ。こう告げたのだった。
「いいな」
「わかった。それではだな」
「貴様の戦いはかなり重要だ」
男は神にこうも話した。
「わかるな」
「わかっている。封印だな」
「それを解く」
男は言った。
「貴様が戦いで出すその言葉でだ」
「よし、それではだ」
「わかった。ではな」
男は神との話を聞いてだった。そのうえでだった。
「私はこれで消えさせてもらう」
「そしてこの神の戦いを見るか」
「心おきなく見させてもらう」
神の方を振り返っての言葉だった。見ればこの神も途方もない巨大さだ。ぬめぬめと黒く光る鱗に全身を覆った九つの首を持つ蛇の姿だ。
その姿はそのまま神話にある通りだ。しかしであった。
「この気配は」
「感じているか、貴様も」
「感じない筈がない」
こう死神に返す牧村だった。
「これだけの気を出すとはな」
「これがこの神ということだ」
「これまでの神とはまた違うか」
牧村はサイドカーに乗ったまま神を見上げて言った。
「その力は」
「この神はまた別格だ」
男もこう二人に告げるのだった。
「それは後でわかる」
「後でか」
「今ではないか」
「わかるケースは二つだ」
男はこうも言ってきた。
「まずは貴様等が敗れた時だ」
「その強さの前に敗れる」
「だからこそか」
「そうなれば貴様等は終わりだ」
それはそのままであった。まさにその通りであった。
「そしてだ」
「次か」
「次のケースだな」
「貴様等が勝った時にそれはわかる」
男はその冷徹な声で二人にまた告げたのだった。
「その時にな」
「ではだ」
「後者を選ぼう」
二人が彼に返したのはこの言葉だった。
「勝ってそれでだ」
「どうなるかを見せてもらおう」
「そう言うと思っていた」
これまでのやり取りでだ。男も読んでいたのであった。彼等がそう返すことをだ。
そのうえでだ。また彼等に告げたのであった。
「それではだ」
「戦いだな」
「これからだな」
「戦い、そして見るのだ」
悠然と上にあがりながらの言葉だった。
「敗れても勝利を収めてもな」
「そうだな。それではだ」
「はじめるとしよう」
男が上に消えゆく中で二人はそれぞれのバイクに乗ったまま変身に入る。両手の拳を胸の前で突き合わせ右手の拳を己の胸の前に置き。そうして。
それぞれ姿を変えた。髑髏天使と戦う姿にだ。そして。
そこからすぐにであ
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