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髑髏天使
第五十一話 解放その一

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                    髑髏天使
                  第五十一話  解放
 男はだ。この時混沌の中にいた。 
 様々なものが複雑に絡み合い蠢き続けるその中でだ。彼は語り掛けていた。
「どうだ、今は」
「それは我への言葉か」
「我なのか」
「どちらもだ」
 双方だというのである。彼は混沌の中に浮かびながら彼等に話していた。
「どちらにも言っている」
「そうだったのか」
「両方にか」
「そうだ。それでだ」
 男はだ。また彼等に問うた。姿を見せていない彼等にだ。
「今はどうなっている」
「近付いているな」
「それは感じている」
「そうか。やはりな」
 男は二つの声を聞いてだ。納得した声を出した。そのうえで、であった。
「それではだ」
「解放するか」
「いよいよ」
「そうだ。それを考えている」
 まさにそうだとだ。声達に話すのだった。
「今はな」
「ならそうするといい」
「是非な」
 彼等もそれを勧めるのだった。
「それがそのまま我等の復活につながる」
「間違いなくだ」
「また神を一柱出す」
 男はこう彼等に話す。
「そしてそれでだ」
「あの四柱か」
「いよいよ」
「時は間違いなく来た」
 男はそれを確信していた。
「彼等を解放するその時がだ」
「それだけの力が集まったな」
「そうだな」
「その通りだ。髑髏天使に死神」
 彼等の名前も出す。その戦いの相手達をだ。
「いい力を出している。実にな」
「そうだな。戦いから相当の力を出しだ」
「封印に影響を与えてくれる」
「それこそがだ」
「我等を解放する糧になるのだからな」
「相手もそれはわかっている」
 戦いにより発散されるその力がどういった影響を与えるのかをだ。髑髏天使と死神もまたわかっていると。こう言うのである。
「しかしそれでもだ」
「戦うか」
「あえて」
「我等を全て倒すつもりだ」
「我等もか」
「混沌の中心である我等も」
「そうだ。それにだ」
 それだけではないともだ。男は彼等に話した。
「それで混沌で世界を覆うことを防ぐつもりなのだ」
「最後まで戦い勝ちか」
「そうしてか」
「その通りだ。ならばだ」
 どうするか。男は既に答えを出していた。
「我等としてもだ」
「髑髏天使と死神を倒してだな」
「そのうえでだな」
「そういうことだ。それでいいな」
「我等が解放されればな」
「その時はな」
 彼等もだ。それでいいというのである。
「ではな。我々もだ」
「その時が来ることを待とう」
「楽しみにしている」
「その時が来るかどうかはわからぬが」
「そうしているといい。四つの封印を解放し」
 そこからだというのだ。
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