第五十話 帰郷その二十三
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均寿命を超えている。
「その辺りから縮んでじゃ」
「そうなったのか」
「今では一五〇位か」
そこまで小さくなったというのである。
「いや、小さくなったわ」
「そうだよね。博士ってね」
「昔と今じゃ全然外見違うからね」
それを妖怪達も話す。
「性格は変わらないけれどね」
「喋り方もね」
「けれど外見は本当に変わったよ」
「昔は海軍将校にも負けない位の外見だったのに」
かつては海軍将校といえばもてにもてた。その彼等にもひけを取らなかったというのだ。
「今じゃ僕達と一緒にいても普通だしね」
「何かこのまま妖怪になるとか?」
「あはは、それ有り得るね」
「そうだよね」
こんな話をしてだった。そうして。
牧村はだ。壁から背を離してだ。そうして言うのだった。
「さて、それではだ」
「講義じゃな」
「言ってくる。それではな」
こう博士に言うのだった。
「ではな」
「うむ、それではな」
「勉強も頑張ってね」
「しっかりね」
妖怪達も笑顔で彼に言う。彼等はまだアップルパイにアップルティーを楽しんでいる。
「それじゃあまたね」
「待ってるからね」
「行ってらっしゃい」
「またな」
別れの挨拶をしてだ。彼は日常生活、学校の講義に向かった。その日常生活こそがだ。彼を人間にしていることに考えることにもなるのだった。
第五十話 完
2010・12・31
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