第五十九話 燃える地球
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のフィリオも今は」
「そう、ネオ=ジオンを出られた。知っていたか」
「聞いてはいたわ。本当のことだったのね」
「ああ」
スレイは頷いた。
「兄様の心遣いだったのだろう。私に対する」
「そうよ」
ツグミはまた言った。
「貴女を自分の呪縛から解放する為に。フィリオはあえてネオ=ジオンを離れたのよ」
「研究する為の費用や施設も捨ててか」
「費用も施設も関係なかったのよ」
「そうだったのか」
「フィリオの夢はもう動いているのだから」
「動いて」
「それは貴女が嫉妬したアイビスと・・・・・・そして」
ツグミはさらに言った。
「貴女がいるから。だからフィリオは」
「そうか。そうだったな」
申し訳なさそうに俯く。
「そんなことに気付かなかった私は・・・・・・。愚かな妹だ」
「それでネオ=ジオンを離れたんだね」
「もうあそこにいる理由もない」
「それじゃああらためて聞くよ」
アイビスは再び問うてきた。
「何で今あたし達の前に姿を現わしたのか。言えるね」
「ああ」
不敵に笑うアイビスに対して答えた。
「それはアイビス・・・・・・御前に勝つ為だ」
昂然と顔を上げる。
「兄様のことも兄様の夢のことも関係ない。私は御前に勝ちたい。その為にここに来た」
「やっと言ったね」
それを聞いたアイビスの顔が急に優しいものになった。
「私は御前に勝つ!私自身の誇りに賭けてライバルである御前を倒す!」
「そうかい、わかったよ」
アイビスは優しい笑みのまま頷いた。
「それならいいさ。存分にやれる」
「スレイ、やっと自分の言葉で話してくれたね」
「自分の言葉だと」
ツグミの言葉に顔を向けた。
「ええ。今までの貴女は自分の殻に入っていたわ。そしてそこから話をしていた」
「・・・・・・・・・」
「フィリオのこともそう。自分のことも。けれど今貴女は本当の意味で自分の言葉を話してくれたのよ」
「そうだったのか」
気付いてはいなかった。だがツグミの言葉で今ようやくわかった。
「それが大切なことの一つだったのよ。貴女はスレイ=プレスティなのだから」
「スレイ=プレスティ」
自分の名を呟く。
「そうさ、あんたはスレイ=プレスティさ」
アイビスも言った。
「あたしはスレイと戦うんだ。アイビス=ダグラスとしてね」
「アイビス・・・・・・」
「あんたとならあたしも全てを賭けて戦える」
そしてアルテリオンを右に動かした。ベガリオンと対比するように。
「さあやるよ、スレイ」
またスレイに声をかける。
「これが最初で最後の真剣勝負だ。いいね」
「うむ」
スレイも頷いた。
「あたしが勝ったらあたしの言うことを聞いてもらうよ」
「私が勝った時は」
「あんたが勝った時かい」
「そ
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