第五十九話 燃える地球
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「頼めるか、アイビス」
ブライトも彼女に声をかけた。
「ああ、大丈夫さ」
「敵は一機ですし」
ツグミもそれに応える。
「後ろは任せてダカールに行ってくれ」
「すぐに私達も追いつきますから」
「そうか。では頼むぞ」
「はい」
こうして四隻の戦艦が降下した。残ったのはアルテリオン一機となった。
「さて、と」
アイビスは一機になったのを確かめてからツグミに顔を向けてきた。
「わかってるね、ツグミ」
「ええ」
ツグミもそれに頷いた。
「スレイ、あんただろ」
おもむろに通信を入れて問う。
「来ているのは。違うかい?」
「わかっていたか」
ベガリオンが姿を現わした。そしてアイビスとツグミの前にやって来る。
「私だということに」
「ああ、わかるさ」
アイビスは穏やかな笑みを浮かべてこう言った。
「来るのはね。じゃあはじめようか」
「うむ」
スレイも頷く。
「決着を着けるのをね」
「こちらこそ。容赦はしないぞ」
「覚悟はできているさ。けれど勝つのはあたしさ」
「戯れ言を。このベガリオンが負けるというのか」
「少なくとも勝てはしないわ」
「何っ」
ツグミの声にキッとする。
「それはどういうことだ」
「すぐに勝てるわ。貴女はあることに気付いていないから」
「ツグミ、御前もまた私を侮辱するというのか」
「侮辱じゃないわ。けれど」
ツグミの顔が悲しそうなものになった。
「貴女は。何もわかっていないから」
「フン、では教えてみせよ」
そう言いながらベガリオンを右に動かした。
「私に。その身を以ってな」
「ああ、いいさ」
アイビスが応える。
「スレイ、あんたを倒す」
その目が燃えていた。赤い瞳がルビーのようになっていた。
「いいね」
「私はずっと御前に嫉妬していた」
スレイはふとこう漏らした。
「何だって」
「どういうことなの」
それを聞いたアイビスとツグミの顔が一変する。
「嫉妬・・・・・・あんたがあたしに」
「そうだ」
もう隠すこともなかったのだろう。スレイは素直に述べた。
「プロジェクトTDにいた頃から私は兄様の喜ぶ顔が見たかった。銀河を飛ぶことは私にとって兄様の夢を適えることだった。そして私はプロジェクトのナンバー01になった」
「そうだったのか」
「只それだけのことだった。兄様の笑顔が見たいだけに」
「そして共にネオ=ジオンに移ったんだね」
「そうだ。だがアルテリオンは御前に渡り銀河を飛ぶのは御前がやっていた。私は・・・・・・只の戦士になっていた」
「それは貴女の望みではなかったのね」
「そういうことになる」
スレイは言葉を続けた。
「兄様の夢を取られたような気がしてな。兄様は何も仰られなかったが」
「けれどそ
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