第五十九話 燃える地球
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ネオ=ジオンの艦隊が全艦降下に入った。そしてロンド=ベルの四隻の戦艦もまた降下に入った。
「皆いるな」
「はい」
ジャクリーヌはシナプスの問いに応えた。
「全機収納しました。これで降下に入られます」
「うむ。それでは降下を開始する」
「了解」
こうして四隻の戦艦は降下態勢に入った。だがその時だった。
「後方に敵機」
「何、こんな時にか」
「お約束ってやつだな」
神宮寺がそれを聞いて言った。
「毎度毎度のことだが。いい加減慣れたな」
「ミスター、そんなこと言っていていいのかよ」
洸がそんな彼に対して言う。
「まあ待て。何もこのままにしておくってわけじゃない」
「けれどミスター」
今度はマリが言った。
「ブルーガーはもう出れないわよ」
「それにブルーガーでは大気圏突入は」
「バーニアを付けていなかったのか?」
麗が応えてきたので返した。
「はい。残念ながら」
「しまったな。出るつもりだったのだが」
「どうする?ライディーンも大気圏は無理だ」
「カミーユにでも頼むか」
「いや、あたしが行くよ」
「アイビス」
アイビスが出て来た。
「行っただろ。アルテリオンは大気圏でも戦えるって。こんな時の為にもうスタンバッてたんだ」
「そうだったのか」
「私も行きます」
「あんたもか」
ツグミも出て来ていた。
「じゃあここは二人に任せるか」
「ああ、頼むよ」
アイビスはにこりと笑って応えた。
「殿軍を引き受けるのはこの上ない名誉ってのは日本の言葉だったっけ」
「ああ」
洸が頷く。
「よくそう言うな」
「じゃあその名誉引き受けさせてもらうよ。ダカールだったね」
「そうだ、ダカールだ」
神宮寺が答えた。
「行けるな」
「帰ったら上等のワインを御馳走してくれたらね。それじゃあ」
「おいおい、俺達はワインは飲まないぞ」
「あれ、そうだったのか」
「まだ未成年だからな」
「他のコープランダー隊はともかくミスターはそうは見なかったけれど」
「ははは、生憎老けていてな」
神宮寺は笑って応えた。
「これでも十代なんだよ」
「そうだったのか」
「まあお茶かコーヒーでいいかな」
「何か急に安くなったね」
「とびきりの玉露を用意しておくから。それで勘弁してくれ」
「わかった。それでいいよ」
「それじゃあ頼む」
「ああ」
こうしてアイビスが出撃した。神宮寺はそれを眺めながら呟いた。
「頼むぞ」
「ミスター、そろそろ降下です」
「何かに捉まるかベルトを」
「そうだったな」
麗とマリに言われてすぐに降下準備に入る。
「では行くか、ダカールに」
「はい」
既にロンド=ベルも後戻りできないところまできていた。そしてアルテリオンが一機そこに残った。
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