第五十九話 燃える地球
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地球がそれ程恋しいというのか」
「戯れ言を」
そうは言いながらも顔には嫌悪感が如実に現われていた。
「全てはジオンの大義の為。ミネバ様の為だ」
「それがミネバの為だというのか」
「そうだ。ミネバ様はジオンの唯一の正統な後継者なのだからな。そのミネバ様がジオンの大義を果たされる。素晴らしいことだと思わないか」
「それがミネバ=ザビが望んでいないのはわかるがな」
クワトロはそう言い返した。
「ミネバはただジオンの呪縛に捉われているだけだ。それがわからないのか」
「貴様とそれについて話すつもりはない」
ハマーンはこの話を打ち切った。
「話は終わりだ。ではな、シャア」
そう言い残してグワダンに指示を下す。
「行くぞ、まずはこのグワダンからだ」
「ハッ」
それに従いグワダンが降下に入った。
「ダカールで待っているぞ、シャアよ」
「くっ」
歯噛みしたところでどうにもならなかった。こうしてハマーンはミネバと共に地球に降下したのであった。
「ハマーン様に続け!」
マシュマーが叫んだ。彼はザクV改に乗っていた。
「地球に辿り着きジオンの大義を知らしめるのだ。よいな!」
「了解しました。ところでマシュマー様」
「何だ、ゴットン」
「そろそろ艦に帰った方がいいんじゃないですか?」
「構わん」
だがマシュマーはゴットンの言葉に従おうとはしなかった。
「まだいい」
「いいって。あと数分しかありませんよ」
「数分あればロンド=ベルを数機撃墜できる!」
「そんなこと言って一度も勝ったことないじゃないか」
「?何か言ったか?」
「いえ、何も」
「ではいい。ゴットン、御前はそこで私の活躍を見ていろ」
「いや、最初からそうするつもりですけれど」
「仕方のない奴だ。だがいい」
そして隣にいるグレミーに顔を向けた。彼は赤いバウに乗っていた。
「グレミー」
「はい」
「行くぞ。騎士道を奴等に知らしめるのだ」
「はい」
「待ちな、マシュマー」
後ろにいるゲーマルクから女の声がした。
「キャラ=スーンか」
「あたしもいるよ。一緒にやるんだろ」
「戦いに女性を巻き込むのは好きではないが」
「何言ってるんだよ、長い付き合いじゃないか」
「ううむ」
「あたしも暴れさせてもらうよ。イリアもそれでいいね」
「私はいいが」
彼女はリゲルグに乗っていた。かってのゲルググに似たモビルスーツであった。
「じゃあ決まりだよ。地球にキスする前にいっちょ派手にやるよ」
「派手にか」
「ラカンの旦那もいるしね。あれ、旦那は」
「もう地球に行っちゃいましたよ」
「何だい、つれないねえ」
ゴットンの言葉を聞いて仕方なさそうに言う。
「まあいいさ。それじゃあ遊ぶとするかい」
「戦いは遊びではない!
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