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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十七話 兄と妹(後編)
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                  第五十七話 兄と妹(後編)
 ギニアス=サハリン技術少将の部隊を退けたロンド=ベルはそのまま前進を続けていた。全軍警戒態勢を緩めない慌しい進軍であった。
 あちこちに偵察用の部隊が出される。それでいて速度を緩めてはいなかった。
「何か変わったところはないか」
「今のところは何もありません」
 グローバルに輝が答える。
「どうやらネオ=ジオンはそのまま防衛ラインに集結しているようです」
「そうか」
 グローバルはそれを聞いて頷いた。そしてポケットからパイプを取り出そうとする。
「艦長」
 だがそれをキムが制止する。
「艦橋は禁煙ですよ」
「やれやれだな」
 彼はそう言われて微かにはにかんだ。
「では我慢するとしよう。後で幾らでも吸えるか」
「そういうことです」
「ところでレーダーにも異変はないか」
「はい、今のところは」
 クローディアがそれに答える。
「異常なしです。落ち着いたものです」
「それは何よりだ」
「あと一時間程で敵の防衛ラインです」
 早瀬が報告する。
「そろそろ偵察に送り出している部隊を呼び戻しましょう」
「うむ」
 グローバルはそれに頷いた。そしてあらためて指示を下した。
「ブライト大佐に伝えてくれ」
「はい」
「そろそろ戦闘用意に入るとな。総員集結だ」
「わかりました。それでは」
「うむ。宜しく頼むぞ」
 返礼した早瀬に対して言葉をかける。そして艦長の椅子に深く座りなおした。
「これからが大変だな」
「これからですか」
「そうだ。おそらく敵も必死だ。これまで以上に激しい戦いになる」
「はい」
「用心し給えよ。ハマーン=カーンは手強い」
「ジオンの亡霊がですか」
「彼等は自分達を亡霊とは思ってはいない」
 グローバルはまた言った。
「ジオンを再興させるつもりだ。亡霊と違って生きている」
「と彼等は思っているのですね」
「そうだ。だからこそ手強い」
 グローバルは言葉を続ける。
「亡霊ならば動きはしない。だが生きている者は」
「動く」
「そういうことだ。だからこそ我々も動かなければならないということだ」
「敵はそれだけではありませんし」
「火星の後継者達か」
「はい」
 早瀬はまた頷いた。
「おそらく彼等も展開しているでしょう」
「厄介なことだな」
「あの草壁中将は。一度は連邦軍に投降した筈でしたが」
「彼もジオンと同じだ」
「ジオンと」
「そうだ。多くの者の目から見れば彼もまた亡霊だ。木星のな」
「木星の」
「だが彼はそうは思ってはいない。彼はあくまで自分の理想、そして野望を果たすつもりなのだ」
「だからまた立ち上がったのですか」
「そう。だから彼も手強い」
「強敵ばかりですね」
「そ
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