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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十七話 兄と妹(後編)
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クワトロは一つのことを見落としていた。ハマーンもまた一人の女だということをである。そう、彼女は女だったのだ。彼はそのことを忘れていた。
「その為に。ネオ=ジオンはここまで来た」
「地球圏に。戻って来たのか」
「今彼等はまさにその地球に還ろうとしている。そして我々はそれを食い止めなければならない」
「それならば」
「ネオ=ジオンを討つ。まずはそれからだ」
 彼等もまた戦わなければならなかった。その為の決意を新たにするのであった。
 しかしそこで一人遠くに離れている者がいた。セラーナであった。
「遂にネオ=ジオンと」
 彼女は意気あがる同僚達を寂しそうな目で見ていた。
「姉さん」
「どうしたんですか、セラーナさん」
 だがそんな彼女にシーブックが声をかけてきた。
「あっ」
 声をかけられた彼女はそれを聞いて我に返った。
「少しね」
 そして照れ臭そうに笑った。
「考えていたことがあって」
「そうだったんですか」
「ええ。けれどもういいわ。すぐにまた戦いよね」
「ですね」
 シーブックはそれに頷いた。
「けれどその前に少しエネルギーを補給しませんか」
「エネルギー?」
「食べるんですよ。セラーナさんもお腹が空いていませんか?」
「そういえば」
「セシリーがパンを焼いてくれてますから。それで体力をつけましょう。戦ってばかりだと身体がもちませんよ」
「そうね」
 それを聞いてうっすらと笑った。
「それじゃあ私も一つもらおうかしら。セシリーの焼いたパンは好きだし」
「美味しいんですよね、あれ」
 シーブックはそれを聞くと我がことのように喜んだ。
「やっぱりセシリーはパンを焼いているのが一番似合っていますし。さあ早く行きましょう」
「早くって」
「早く行かないとジュドー達やケーンさん達が食べちゃいますよ。あの人達そうしたことには凄く俊敏だから」
「あの子達らしいわね」
 そんな話を聞いていると心がほぐれてきた。
「それじゃあ行きましょう。さもないとパンがなくなるから」
「はい」
 こうしてセレーナはセシリーのパンを食べに向かった。心はそちらに向かい何とか戦いからは離れることができた。そして別のことからも。
 
 宇宙での戦いはとりあえずのところは最後の局面に入ろうとしていた。だがここで一つの動きがあった。
「ハマーン様」
 ランス=ギーレンとニー=ギーレンがグワダンの艦橋にいるハマーンに声をかけてきていた。
「どうした」
「ベガリオンのことですが」
「あれで宜しいのですか」
「よい」
 ハマーンは二人の問いにこう返した。
「どうせ遅かれ速かれこうなることだった。ミリアルド=ピースクラフトと同じだ」
「あの男と同じですか」
「そうだ」
 ハマーンはまた答えた。
「心がこ
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