第五十七話 兄と妹(後編)
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る!急がないと大変なことになる!」
「クッ、思ったより動きが速い!」
カミーユがそれを聞いて言った。
「ハマーン、何としても地球に降りるつもりなのか!」
「その通りだ」
クワトロはそんなカミーユに対して述べた。
「彼等もまた地球を支配したがっているのだからな」
「まだ諦めていないのか」
「それは当然のことだ」
アムロも言った。
「それが今のジオンの願いなのだからな」
「そういった意味で彼等は最早スペースノイドを代表してはいないのだ」
「それじゃあ一体」
「最早ティターンズと同じだ。いや、ティターンズもまた彼等と同じなのかな」
「何かよくわかりませんね」
カツがそれを聞いて首を傾げさせた。
「ネオ=ジオンは大体わかるつもりですけれどティターンズがジオンと同じだなんて。彼等はアースノイド至上主義じゃなかったんですか?」
「それもまた表向きだ」
クワトロはカツに対しても言った。
「彼等が求めていることもまた人類の掌握だな」
「はい」
「それも武力による。そのうえ彼等はサイド3、ジオン共和国とも親しい関係にある」
「それは聞いたことがあります」
「そうだろう。そしてジオン出身の開発者も多く参加している。またジャミトフ=ハイマン自身もギレン=ザビの思想に共鳴している部分があるという」
「それじゃあまるで連邦軍の一部隊なんて仮の姿じゃないですか」
「そうだ、彼等の正体もまたジオンだ」
クワトロはここで言い切った。
「つまり我々は二つのジオンの亡霊と戦っていることになるのだ」
「そうだったんですか」
「ギガノスはまた別でしょうか」
リンダはそれを聞いてクワトロに尋ねてきた。
「彼等も似ていると思うのですが」
「あれは似て非なるものだ」
クワトロはこう述べた。
「ギルトール元帥はかなり理想に頼っていた」
「はい」
「それが彼の限界でもあったが。だがジオニズムとはまた違う」
「そうだったのですか」
「少なくとも彼は手段は選ぶ。そこもまた違う」
クワトロはジオンの亡霊とギルトールをそう分けて考えていたのであった。そしてこれは正しかった。
「だからこそ彼等とも一線を画しているのだ」
「わかりました」
「そしてだ」
彼はさらに言った。
「そのジオンの亡霊達は今アフリカでかっての同志達と再会しようとしている。そしてダカールを目指している」
「はい」
「彼等をダカールに行かせてはならない。行かせれば彼等に大義を与えることになる」
「ジオンの大義を」
「具体的に言うとネオ=ジオンによるダカール占拠だ。そしてそこでジオンの復活を宣言するだろう」
「下手をするとそこで地球圏の掌握をも言い出しかねないな」
「そうだ。私が怖れているのはそれだ」
クワトロの言葉は続いた。
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