第五十七話 兄と妹(後編)
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ようだな」
「うむ」
デラーズはハマーンに対して頷いた。
「何とかな。ところでそちらはどうだ」
「順調に進んでいる。もうすぐ降下態勢に入る」
「ではもうこちらでの防衛はいいな」
「うむ。御苦労だった」
ハマーンにも戦局はおおよそわかっていた。ここで彼等を下がらせるのが得策だと判断したのである。
「ではアクシズに退いてくれ」
「わかった」
「後のことは木星トカゲ達で済ませる」
「木星トカゲか」
それを聞いたデラーズの顔が曇る。
「あの様な機械だけでか」
「他には北辰衆も来るそうだが」
「信用できるのか」
「そんなことは大した問題ではないだろう」
しかしハマーンはそれを不問とした。
「利用できるものは利用する。違うか」
「しかし」
「貴殿の言いたいことはわかっている。だがこれも勝つ為だ」
ハマーンはさらに言った。
「ひいてはそれがジオンの為になる。わかってくれるな」
「仕方あるまい」
デラーズもジオンを出されては頷くしかなかった。仕方なく妥協した。
「ではここは従うとしよう」
「うむ」
「ではこれで撤退する。地球は任せた」
「わかった」
こうしてハマーンはモニターから姿を消した。デラーズはそれを確認してから後ろにいる部下達に顔を向けた。
「聞いたな」
「ハッ」
部下達は一斉に敬礼をして応えた。
「ではすぐにアクシズまで撤退する。よいな」
「わかりました」
「後のことは木星トカゲ、そして北辰衆に任せるものとする。ネオ=ジオンの部隊は撤退だ」
「木星トカゲに、ですか」
部下の一人が先程のデラーズと同じ表情を浮かべた。
「その先は言うな」
しかしデラーズはそれから先を言わせなかった。
「よいな」
「申し訳ありません」
「わかればいい。ではすぐにモビルスーツ部隊を収納しろ」
「ハッ」
「そしてすぐに戦場を離脱するぞ」
「了解」
こうしてデラーズ指揮下のモビルスーツ部隊は撤退した。その中には当然ガトーも含まれていた。
「ガトー、逃げるのか!」
コウはそんな彼を見て叫ぶ。
「来い!俺と決着をつけるのだろう!」
「それはまた別の機会だ」
彼は後ろ目にコウを見て言う。
「今は退く。これもまた命令だ」
「クッ!」
「だが言っておく。ジオンの大義がある限り」
そして言う。
「私は敗れることはない!連邦にも君に対してもだ!」
「何を!」
コウは退くガトーのノイエ=ジールにおいすがろうとした。しかしそれは適わずガトーは戦場を離脱した。こうして戦いは終わった。
結果としてロンド=ベルは戦いに勝利した。しかし彼等が休息をとる時間はなかった。
「すぐに地球に向かうぞ!」
ブライトが指示を下した。
「ハマーンの部隊は既に降下態勢に入ってい
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