第五十七話 兄と妹(後編)
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ああ」
ここで先程攻撃を仕掛けたエンドラを見る。
「さっさとこのしぶといのを沈めちまおうぜ」
「じゃあ行くか」
「よし」
三人が動こうとする。だがその目の前で戦艦は突如として炎に包まれた。
「なっ!」
「総員退艦!」
「急げ!」
エンドラの中で悲鳴が木霊する。そして慌てて戦場を離脱する脱出用の艦艇を後にして戦艦が炎の中に消えるとそこにGPー01がやって来た。
「これでよし」
「バニング大尉」
「エンジン部分を狙った。脆いものだった」
三人の目の前に現われたバニングは静かにこう言った。
「もっとも御前達の事前の攻撃があったこそだがな。礼を言う」
「いやあ、礼なんて」
「大尉のおかげですよ」
「そうですよ、私達は今から三人で攻撃を仕掛けようかとしていたところでしたから」
ベイト、モンシア、アデルはそれぞれ言う。
「まあまた戦艦を沈められてラッキーです」
「うむ」
モンシアの言葉に今度は静かに頷いた。
「だがまだ戦争は終わってはいない」
「はい」
「アムロ中佐も既に一隻の戦艦と敵の小隊を三個撃破されている。中佐に負けぬようにな」
「いや、幾ら何でもそれは」
流石にベイトも閉口でぃた。
「無理ってものですよ」
「やっぱり連邦の白い流星は伊達ではありませんね」
「敵じゃなくてよかったぜ、全く」
「だが敵はまだいる。それはわかるな」
「はい」
三人はまたバニングの言葉に頷いた。
「では行くぞ」
「了解」
04小隊はまた動いた。しかしこの時には戦争の趨勢はもう定まっていた。だがそれでもデラーズは戦場に残っていた。
「閣下」
部下の一人が艦橋に立つデラーズに声をかけてきた。
「また戦艦が一隻撃沈されました」
「エンドラ級十七番艦ホーイックです」
別の部下がその艦の名を告げる。
「既に我が軍の損害は七割に達しようとしていますが」
「如何為されますか」
「まだだ」
だがデラーズはそれを聞いてもこう言うだけであった。
「まだ。退くわけにはいかぬ」
「まだですか」
「ですがもう限界です」
「それも承知のうえだ」
こう言いながらも彼は退こうとしなかった。
「あと少し。あと少し耐えるのだ。よいな」
「あと少しですか」
「そうだ。そうすれば」
ここで艦橋に連絡将校が入って来た。
「閣下」
「どうした」
デラーズは彼に顔を向けた。そして問うた。
「ハマーン様から連絡です」
「摂政からか」
「はい。如何されますか」
「モニターに映せ」
彼はそう指示を出した。
「私が直接話を聞こう。よいな」
「ハッ」
こうしてモニターのスイッチが入れられた。そしてそこに赤紫の髪を持つ女が姿を現わした。
「まだこのモニターを使えるところを見ると無事な
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