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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十六話 邪魔大王国の最期(前編)
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絶句してしまった。
「嘘じゃ、このようなことが」
「嘘ではない」
 彼女に正対するゼンガーが言った。
「これが真実だ。邪魔大王国はこれで終わりだ」
「戯れ言を」
 だが彼女はそれを否定した。
「邪魔大王国は滅びぬ。これからも永遠に繁栄するのじゃ」
「それはない」
 しかしゼンガーはその言葉も否定した。
「この世にあって滅びぬものはない。例えどのようなものであってもな」
「うぬう」
 その言葉を聞いて激昂した。
「ではうぬは邪魔大王国が滅びるというのか」
「そうだ」
 彼は臆することなく言い切った。
「それが今だ。御前の腹心であった三人が滅んだことが何よりの証」
「ぬかせ」
 彼女はさらに激昂した。
「わらわがいる限り。邪魔大王国は滅びはせぬ」
「愚かな。一人で国を保てるとでも思っているのか」
「それは貴様が言うことではない」
 その目が赤く変色してきた。
「わらわに逆らう者は容赦することはできぬ。覚悟はよいな」
「覚悟はとうにできている」
 ゼンガーはまるで夜叉の様になったククルの顔を見て臆することはなかった。目は赤くなり顔は憤怒で歪んでいた。それはまるで京劇の仮面の様であった。
「ならば容赦はせぬ」
 ククルは身構えた。
「この黄泉舞を受けて死ぬがいい」
「それは適わぬ」
「何と」
「気付いていないのか、今の自身に」
「どういうことじゃ」
「よく見るのだ」
「何っ!?」
「己が周りを。それでも言えるか」
 見ればククルの周りに部下達はもう殆ど残ってはいなかった。いるのはロンド=ベルのマシンばかりとなっていた。
「これが現実だ。今の御前は一人だ」
「言うな!」
「一人だけの王国だ。それでも滅びぬというのか」
「左様」
 それでもククルは言った。
「わらわがいる限り何度でも。それがヒミカ様の願いである限り」
「ヒミカか」
 それを聞いてまたゼンガーは言った。
「あの女が御前をどう思っていたか。知ってはいないのか」
「何をじゃ」
「あの女は御前を利用しようとしていただけだ。それがわからないのか」
「まだ言うか」
「何度でも言おう。御前は利用されていただけだ」
「何処にその様な証拠が」
「それは御前自身だ」
「わらわ自身じゃと」
「そうだ。御前が人間であることが何よりの証」
 彼は言う。
「その赤い血に白い肌が。御前を人間だと言っている」
「それがどうした」
「邪魔大王国はハニワ幻人の国だ。何故人間がそこにいる」
「グウウ」
 言い返せなかった。確かにその通りであるからだ。
「御前はその力を邪魔大王国に利用されていただけだ。御前は女王ではなかった」
「では誰が女王なのじゃ。わらわなくして」
「ヒミカだ」
 ゼンガーはまたしても言い切った。

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