第五十五話 兄と妹(前編)
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言っても。説得力ないわよ」
「じゃあどうすればいいんだよ」
ケーンはエルの言葉に口を尖らせた。
「俺はこれでお滅茶苦茶格好いいつもりなんだぜ」
「何処がなんだよ」
「ドラグナーチームつったらロンド=ベルきってのお笑い担当だって話よ」
「あたし達も人のこと言えないけれどね」
「シャングリラに戻っても言われたし」
「ガンダムチームってことでかなり頑張ってけどよお」
「何か今一つシリアスさがないんだよなあ」
「お互い困ってるんだな、それで」
ライトがガンダムチームの面々の言葉を聞いて呟いた。
「やっぱり。俺達にはシリアスか」
「あのギガノスの旦那みてえに」
「やってやるか、俺達も」
「それ絶対無理だと思うぜ」
ジュドーが三人に突っ込みを入れた。
「おい、折角やる気になってんのに水入れるのはなしだぜ」
「だってさあ、ケーンさん達も俺達も結局アムロさんやクワトロさんじゃないんだし」
「まあそうだけどよ」
「俺達は俺達でやろうぜ。また機会があればそのうちシリアスになれる時も来るだろうしさ」
「永遠になかったりしてな」
「タップ、おめえはまたそうやって」
「まあその時が来ることを祈ろう。その時に備えて台詞の勉強でもしてだな」
「ハマーン様ばんざーーーーい!とかか」
「・・・・・・そんなに声が似てるか?」
「というかそっくりだぜ」
「やれやれだな」
「まあ声のことは抜きにして。そろそろスタンバっておくか」
「ブライトさんが五月蝿いしね」
「そうそう」
「シリアスな台詞の勉強でもしながら。行きますか」
「よし」
丁度そこでプルとプルツーも風呂から出て来た。そしてガンダムチームとドラグナーチームは格納庫に向かったのであった。
「何かいつもの連中がやけに早く格納庫に入っちゃったね」
ローザはそんな一行を見ながら入った。
「あの問題児達もちょっとはパイロットとしての自覚が出て来たのかしら」
「それはどうでしょうか」
リンダはそのローザの言葉に少し懐疑的だった。
「ケーンは。相変わらずみたいですけれど」
「じゃあ彼等は全員そうなんだ」
「そうだと思います」
そしてこの言葉にも頷いた。
「けれどそうでないとケーンでないですし」
「確かにね」
この言葉にはローザも笑った。
「よくも悪くも。兄とは違います」
「そのお兄さんのことだけれど」
ローザはそれを受けてマイヨのことに話の舵を切ってきた。
「はい」
「どうやら無事らしいわよ。未確認だけれど地球にいるらしいわ」
「地球に」
「そこでギガノスの若手将校の残党と合流したみたい。今は傷を癒しているそうよ」
「そうなのですか」
それを聞いて僅かではあるがリンダの顔が晴れやかになった。
「兄は。生きているのですか」
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