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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十五話 兄と妹(前編)
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いながらコクピットのあるボタンを押した。
「さらばだ。この復讐は必ず果たす!」
 脱出した。そのまま何処へと消え去る。こうして行動不能になったアプサラスを残して彼は脱出してしまったのであった。
「終わりましたね」
「ああ」
 アムロのところにシローが来て声をかけた。アイナも一緒であった。
「だが脱出には成功した。また来るだろうな」
「そうですか」
「御兄様」
「アイナ、辛いだろうがな」
「はい」
 気を落としそうになるアイナにシローとアムロが声をかける。
「覚悟はしていると思う。けれどそれが揺らいだら」
「いえ、大丈夫です」
 ここで毅然として顔を上げて言った。
「前の戦いで。もう決心していますから」
「そうか」
「ですから御気になさらないで下さい。シローも」
「いいんだな」
「ええ」
 そしてまた頷いた。
「どのみち御兄様はもう」
「俺には兄弟がいなかったからよくわからないがな」
 アムロはそう前置きしたうえで言った。
「あまり思い悩むと。周りが見えなくなるぞ」
「周りが」
「そういう時は誰かを頼るのがいい。君にはシロー君もいるしノリスさんもいる」
「はい」
「だから苦しい時は頼るんだ。いいな」
「わかりました」
「俺ではあまり力になれないかも知れないけれど」
 シローはそう言いながらアイナの側にやって来た。
「困ったことがあったら何でも言ってくれよ。できるだけ力になるからな」
「有り難う」
 そして二人は乗艦に戻っていった。アムロはそんな二人を見送りながら自身もラー=カイラムに戻って行った。
 艦に戻るとチェーンがやって来た。そして彼に声をかけてきた。
「どうでした、あの二人は」
「見ていたのか」
「はい。何かと心配でしたから」
「心配なのはあの二人のことかい?」
 彼は笑いながらチェーンに声を送った。
「俺がアプサラスと戦っている時に不安だったからじゃないのか」
「いえ、そんな」
 慌ててそれを否定する。
「アムロ中佐ですから。大丈夫と思ってました」
「そうなのか」
 実はわかっていた。戦っている時にチェーンの思念も感じていたからだ。だがそれは口には出さなかった。アムロ程のニュータイプでなければわからないことだからだ。
「だったらいいけれど。俺のことよりあの二人の方が大事だからな」
「そんなに傷ついていますか?」
「アイナはな」
 前を見据えながら言った。
「シローが頑張っているが。何かと気遣って欲しい」
「わかりました」
「俺はどうもそういうことは苦手だからな。ブライトも」
「うふふ」
「おいおい、おかしいのか」
「だって御二人共そういうところはそっくりですから」
「そっくりか」
「はい」
 チェーンはニコリと笑って言った。
「あま
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