第五十三話 甦った堕天使
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した」
「それに艦内飲酒禁止っていってもうちは民間人が多いし」
「はい」
「不問にしましょう。あまり堅苦しいのもあれだし」
「いいのですか?三輪長官がまた」
「気にしない気にしない」
何とあの三輪ですら気にしないとまで言い切った。恐るべき胆力であった。
「今宇宙なんだし。何も言って来ないわよ。地球に着いても何だかんだで言い繕っちゃいましょう」
「わかりました」
「それでいいですね」
「はい」
こうして艦内飲酒の件は何もなしで終わった。そして暫く経ってからハルカ達は復帰してきた。ハルカはしっかりとした足取りでナデシコの艦橋に戻ってきた。
「丁度休憩時間が終わった頃みたいね」
「はい、丁度その時間です」
ハルカが艦橋に戻って来るとメグミがそう声をかけてきた。
「ジャストですよ」
「そう」
ハルカはそれを聞いて微笑んだ。
「だったらいいわ」
「エクセレンさん達と一緒だったんですね」
「ええ」
「何かありました?」
「あったわよ」
ハルカは苦笑してメグミにそう答えた。
「エクセレンって飲んだら凄いのよ」
「そうなんですか」
「もう絡んで絡んで。酒癖が悪いったらありゃしないわ」
「それはまた」
「まあ楽しかったけれど。また一緒に飲もうかしら。メグミちゃんもどうかしら」
「あっ、私はちょっと」
そう言って断ろうとする。
「お酒はあまり強くないですから」
「そう、残念ね」
「できればカラオケなんかでも。ご一緒できればなあ、なんて」
「それじゃあそれでいこうかしら。エマ中尉も誘って」
「声が似てるんでわかりませんよ、それだと」
「それでリィナちゃんなんかも。面白くないかしら」
「何で声が似てるんでしょうね。全く違うタイプなのに」
「不思議だけどね、それ。じゃあ仕事仕事」
「今地球に向けて航路をとっています」
「はいは〜〜い」
ルリの報告に頷く。
「そのまままっすぐでお願いします。今は敵の報告はありません」
「静かなものね」
「こういう時にいきなり出るんですけれどね、いつも」
「いきなりね」
そう言った時だった。突如として警報が鳴った。
「噂をすれば」
「何とやら」
皆それに反応した。そしてレーダーを見る。
「横からね」
「これは・・・・・・ポセイダル軍ですね」
メグミはレーダーを見ながら言った。識別反応は確かに彼等のものであった。
「数は六百程。結構いますね」
「毎回毎回あれだけやられてるのに減らないわね。やっぱり何処かで補給を受けているのかしら」
「おそらくそうだと思います」
ルリがそれに答えた。
「話によると今冥王星付近にヘルモーズが来ているそうです」
「やっぱり」
「遂に」
ハルカ達はそれを聞いて来るべきものが来たと思った。
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