第五十三話 甦った堕天使
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様な格好だが女は連邦軍の軍服を着ていた。だがその野暮ったい連邦軍の服からもはっきりとわかる程見事なプロポーションであった。
「そのいつもが問題なのよ」
大人びた外見に似合わず声はやけに可愛らしいものであった。
「あんたみたいな非常識なの。見たことはないわ」
「そうか」
「そうかじゃないわよ。大体ねえ」
「何か騒がしいな」
それを聞いて一矢達が格納庫に入って来た。
「新しいメンバーが加わったらしいが。それか」
「ナナみたいに子供じみた声だな」
「京四郎さん、それどういう意味よ」
京四郎とナナも一緒であった。三人はそこでその二人を見た。
「君達かい?新入りのパイロットは」
「あっ」
女の方がそれに気付いた。
「ロンド=ベルの人ですよね」
「ああ、そうだけれど」
一矢がそれに応えた。
「君達がその新入のパイロットだよね」
「はい」
女はにこりとした顔で頷いた。
「アクア=ケントルムです。そしてこっちが」
自分の名を名乗りながら男を左手で指し示した。
「ヒューゴ=メディオだ。階級は少尉だ」
男は素っ気無くそう答えた。
「私も階級は少尉です」
アクアはにこやかに笑ったまま言う。
「前は特殊部隊にいた。ガルムレイドに乗っている」
「ガルムレイド」
「確か連邦軍で開発されていたマシンだったな」
「知っているのか」
京四郎の言葉に反応した。
「ああ。マジンガーやダイモスを研究して開発されたと聞いている」
「ダイモスを」
「そうだ。それでそちらの研究所に行ったこともあったが。気付かなかったか」
「済まない、俺はその時火星にいたと思う」
「そうか」
「だからそれは知らなかったんだ」
「では仕方ないな」
「私はサーベラスに乗ってます」
今度はアクアが言った。
「こっちはモビルスーツやエステバリスを参考にしました」
「エステバリスをか」
「はい。元々はサーベラスもガルムレイドも二人乗りだったんですけれど開発の途中でそれぞれ一人乗りになりまして。それで私がサーベラスに乗ってるんです」
「そうだったのか」
「はい。これから宜しくお願いしますね」
「ああ。こちらこそ」
一矢はにこやかに笑って頷いた。
「宜しく」
「はい。何か竜崎君って優しいですね」
「竜崎君!?」
一矢はその言葉にキョトンとした。
「あの、今竜崎君って」
「だって年下ですから。貴方の方が」
「俺が年下!?」
今度は戸惑った顔になった。
「あの、俺十七なんだけれど」
「知ってますよ」
アクアはにこやかに笑ったままだった。
「話は聞いていますから」
「けど年上って」
「二十三です」
「二十三!?」
「何っ!」
いつもは冷静な京四郎もそれを聞いて驚きの声と顔になった。
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