第五十三話 甦った堕天使
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がミスマルを一方的にライバル視しているだけであったが。
「神ファミリーもいてくれています。大丈夫でしょう」
「言うにこと欠いて異星人共か!」
しかしここで切れた。どうやら彼にとってミスマルはまだ許容範囲であってもビアル星人である神ファミリーはそうではなかったようだ。
「あの様な得体の知れない連中の力なぞ不要だ!」
「そうもいかないでしょう」
だがオオミヤは激昂する彼に対して冷静にこう述べた。
「今は戦力が少しでも必要な時ですし」
「異星人でもか!」
「彼等は我々と何ら変わりがありません。それにもう地球に移り住んで二百年になります」
「それがどうした!」
「もう地球人と同じです。それをルーツが違うというだけでそのように言われるのですか!」
「悪いか!」
最早話にもならなかった。
「異星人なのには変わりがない!何百年経とうがな!」
「クッ!」
オオミヤは激昂しかけた。まだ何か反論しようとする。だがそこでモニターが消えた。
エリが消したのであった。モニターは完全に暗黒の中に消えてしまっていた。
「安西博士」
「事故が起こったようね」
彼女はしれっとした顔でこう言った。
「モニターが突然故障したわ。暫く使えないわよ」
「済まない」
「事故よ。別にお礼なんていいわ」
そう言って笑ってみせた。
「それに。あのことが知れたらまたことだしね」
「あれか」
オオミヤには『あのこと』が何かよくわかっていた。
「あれはな。確かに三輪長官に知れるとうるさいな」
「でしょう?シラカワ博士に渡したなんて言ったら。どれだけ怒るか」
「というかあの人はいつも怒っているようだが。本当に日本人か?」
「何でも日本軍でも相当問題があったみたいよ」
「だろうな。日本軍といえばかなり穏健派で知られていた。それであれだからな」
「日本軍じゃ孤立していたみたい。士官学校での成績は優秀だったそうだけれど」
「当時は防衛大学じゃなかったか?あの人が若い頃はまだ自衛隊だった筈だ」
「あら、そうだったかしら」
「自衛隊であれだと。凄いな」
「それで孤立していたのよ。連邦軍でもずっと日陰だったみたいだけれど」
「そうだろうな」
オオミヤはそれに妙に頷くところがあった。
「岡長官やミスマル司令がおられたからな。アデナウヤー次官も持て余しておられるようだし」
「というか完全に厄介者扱いよ。政治家の方は」
「やっぱり」
「そのうちえらいことになると思うけれどね。とりあえず今はあのままよ」
「大変だな、何かと」
「まあ気にしない気にしない。それと一つ気になることがあるの」
「まだ何かあるのかい?」
「中国の殷墟でね。また遺跡が見つかったらしいの」
「遺跡が」
「けれどすぐに消えたらしいの。それを発掘した白い
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