第五十三話 甦った堕天使
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エルガイムでダバの方を振り返って問うてきた。
「あたしをご指名みたいだけれど」
「何で俺に聞くんだい?」
今まで話に入れずにいたダバはエルガイムマークツーのコクピットの中でキョトンとしていた。
「いや、あんたといつもやりあってるから。一応断っておこうと思って」
「俺は構わないけれど」
「じゃあやらせてもらうね。レッシィ、あんたはどうなの?」
「あたしもそれでいいよ」
レッシィも特に異論はなかった。
「敵は周りにも大勢いるからね。そっちをやらせてもらうよ」
「それなら。じゃあギャブレー、行くよ」
「雪辱、今度こそ晴らしてくれる」
「まあ来たらいいよ。存分に相手してあげるから」
「参る」
「ちょっと待って下さいおかしら」
「ヌッ」
しかしいいところでハッシャが止めに入ってきた。
「どうしたのだ、一体」
「まだ本隊が到着していやせん。このままだとあっし等袋叩きですぜ」
「言われてみれば」
本隊はまだかなり後ろであった。実はアム達の言葉を聞いたギャブレーはカチンときて自分達だけ突出してしまっていたのである。
「ここは一旦下がりやしょう」
「しかしだな」
それでも彼にも意地があった。
「あの小娘を」
「あいつの相手は後でもできやす。けれど今ここにいたら」
「ウヌヌ」
ハッシャの言うことは正論であった。確かにこのままでは敵軍に包囲されかねない。それがわからない程ギャブレーも愚かではなかった。
「わかった。少し退こう」
「はい」
「アム、とりあえず勝負は少し待て」
「相変わらず抜けてるね、あんたも」
「そんなことはどうでもいい。だがそれでいいな」
「あたしは別にいいよ。じゃあ後でね」
「うむ」
こうしてギャブレーは少し下がった。そして程なく本隊と合流した。ヘビーメタルの大軍であった。
「ギャブレー君、一人目立とうというのは少し薄情ではないかな」
指揮官はギャブレーの他にマクトミンもいた。彼は不気味な笑みをたたえたまま合流してきたギャブレーに対して問う。
「私も目立ちたいのだがね」
「失礼した」
ギャブレーはそれに対して素直に謝罪の言葉を述べた。
「どうも。カッとしてしまった」
「ふむ」
「私もまだまだ指揮官として未熟だということか」
「そんなことはない。貴殿はよくやっている」
だがマクトミンはそんな彼を謗るわけでもなく逆に褒め称えてきた。
「若さも。上手く使っている」
「若さも」
「そうだ。貴殿はまだ若い。その若さをどう活かしていくかが今後に大きく影響する」
「そうなのか」
「貴殿を見ているとかっての私を思い出すのだよ」
彼は笑ったままこう言った。
「面白い。そのまま成長したまえ」
「かたじけないお言葉」
「そして名を挙げるのだ。貴殿ならできる
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