第五十三話 甦った堕天使
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「悟っているな、アムロ中佐は」
「伊達に中佐になったわけじゃない」
アムロはこう言って笑った。
「色々とわかるものさ。戦場にいたのも長いしな」
「そうか」
「御前と同じだ。歳はとりたくなかったが」
「そういうわけにもいかないだろう」
ブライトも話に戻ってきた。
「お互い。この立場になると色々とわかるものだ」
「御前は昔から少し老けていたがな」
「おい、またそれか」
ブライトはそれを聞いてまた苦笑した。
「何か御前はことあるごとに私を年寄り扱いするな」
「まあ気にするな。まだ二十代なんだろう?」
「それはそうだが」
「老けるには早いだろう。まあ大人びていると思えばいい」
「誤魔化したな」
「ははは、そうかもな」
ロンド=ベルの面々は意外とリラックスしていた。だが地球ではこの時少しトラブルが起こっていた。
「馬鹿者!」
研究室に三輪の怒鳴り声が響いていた。
「何故あの様な胡散臭い男にファイルを渡したのだ!」
「必要だからです」
眼鏡の女はモニターに映る三輪の巨大な顔を前にしてしれっとした態度でこう応じていた。安西エリであった。
「必要だと!?」
「はい。ラ=ギアスに向かったロンド=ベルの別働隊の為に。当然の判断であると思いますが」
「地下のことなぞ放っておけ!」
それに対する三輪の言葉はいつもと同じようなものであった。
「地球をまず考えよ!ネオ=ジオンの主力が向かって来ているではないか!」
「そちらにも援軍が向かっております」
「誰だ、それは」
「それは私がお答えします」
金髪の青年が前に出て来た。ロバート=オオミヤである。
「貴様か」
「はい。宜しいでしょうか」
「いいだろう。言ってみろ」
「はい」
オオミヤは三輪のぞんざいで威圧的な態度にも構わず言った。
「ナンブ=キョウスケ中尉とエクセレン=ブロウにング中尉、そしてヒューゴ=メディウム少尉とアクア=ケントルム少尉の四人です」
「あの四人か」
「はい。地球の方も問題はないかと思いますが」
「それでダカールでも陥落させられたらどうするのだ」
「ダカールをですか」
「そうだ。ネオ=ジオンはアフリカに残っているジオンの残党と呼応してアフリカに降下するというではないか。それへの備えは大丈夫なのだろうな」
「その為のロンド=ベルですが」
「随分と奴等を信用しているな」
それがどうやら三輪にとっては面白くはないらしい。
「悪いでしょうか」
「フン、まあいい」
だがとりあえずはそれを不問とすることにした。
「では必ず防げるのだな」
「ダカールは大丈夫でしょう」
「大きく出たな」
「ミスマル司令の軍もありますし」
それを聞いて三輪の顔がさらに険しくなった。彼はミスマルが大嫌いなのであった。彼
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