第五十二話 狂気の魔装機
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った。
「彼女は何もわかっていないだけですから」
「あれっ、ゼンガーには問題はないんですか」
「この場合はね」
シュウの答えはそれであった。
「後は彼女が気付くだけです」
「気付きますかね」
「気付きますよ」
しかしどういうわけかシュウの答えは楽天的なものであった。
「きっとね」
「何か気楽ですね」
「そうでしょうか」
「御主人様はいつも何かを見透かされていますけれどね。今回もまた」
「ふふふ、さて」
シュウは笑ってそれを誤魔化した。そして道案内に入った。
「こちらです」
「行くか」
「ああ」
「もし何かやらかしたら」
「よせ、甲児君」
鉄也はいきり立つ彼を制止した。
「疑うこともしなければならない時もあるが。今は抑えておくんだ」
「けどあいつは」
「俺も君と同じ考えだ」
それは認めた。鉄也も甲児と同じくシュウを信用してはいなかった。
「だが何かすることは何時でもできる。違わないか」
「それはそうだけれどよ」
「甲児君、安心するんだ」
大介も言った。
「僕もいる。けれど今は彼を信用しよう」
「大介さんも言うんなら」
この二人に言われては逆らうことはできなかった。この二人は甲児にとって仲間であると共に兄のような存在であるからだ。そういった意味で彼は末っ子の様な存在であった。
シュウはそのままラングラン領に入った。そして北の奥へ進んで行く。そこは険しい山脈であった。
そこでまた戦いがはじまろうとしていた。破壊を司る神との戦いが。彼等の戦いは地下においても続いていた。そしてそれは何時終わるかもわからなかった。
第五十二話 完
2005・11・6
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