第五十二話 狂気の魔装機
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為とでも申しましょうか」
「自由の為!?」
「はい。こう見えても私は自由というものを愛しておりまして。それが最も大事なものであると考えています」
「他人はどうなってもか」
「他の方は他の方です。とりあえず私は自身が自由であることを願います」
「それがヴォルクルスを倒すこととどう関係があるってんだ?手前はそもそもやってることがヴォルクルスとそっくりだったじゃねえか」
「ヴォルクルスとですか」
「そうだ。忘れたとは言わせねえぞ」
「確かに前はそうでした」
シュウはそれは認めた。
「以前の私はね」
「じゃあ今の手前は違うってのかよ」
「はい」
シュウはそれも認めた。
「ですからこうして貴方達の前に姿を現わしているのですよ」
「ヴォルクルスを倒す為に」
「そういうことです」
「まだ信用はできねえがな」
マサキはこう言いながらもシュウに顔を向けた。
「まあいい。どのみちヴォルクルスはさっさと始末しておかなきゃならねえ」
「はい」
「案内しな。何処にいるのかわかってるんだろう」
「勿論です。それでは」
「ああ」
こうしてシュウは一時的にではあるがロンド=ベルに加わることになった。だが母艦には入らずネオ=グランゾンに留まったままであった。そんな彼にチカが声をかけてきた。
「いいんですか、御主人様。あっちに入らなくて」
「いいのですよ、今はね」
シュウは謎めいた笑みを浮かべてそれに応えた。
「今はね。どのみち彼等とは一旦すぐに別れることになりますし」
「あれ、別れちゃうんですか」
「私にはまだやる仕事がありますので。仕方のないことです」
そしてこう言った。
「けれど今はこれをセニアに送っておきましょうか」
そこでコクピットから何かを取り出した。それは分厚いファイルであった。
「ネオ=グランゾンの転送システムでね。これでまた彼等に大きな力が加わります」
「ああ、安西博士やオオミヤ博士から貰ったやつですよね」
「はい」
シュウはそれに頷いた。
「あのクリバヤシ、オザワという二人にとって非常に有益な筈です」
「それはまあそうですけれどね」
「後はゼンガーさんですが」
「彼がどうかしたんですか?」
「ここでそろそろ因果を断ち切られればいいのですが」
「因果ですか」
「はい」
「あの人にそんなのありましたっけ」
「あるのですよ。ここにまで来ているでしょう?」
「ああ、あれですか」
それが何かチカにもわかった。納得したように頷く。
「あれが因果だったんですか」
「そうなのですよ」
「けれどあれはどうにもならないんじゃないですかね」
「何故ですか」
「あれだけ憎まれていると。手の施しようがないですよ」
「それはどうですかね」
だがシュウはその言葉には否定的であ
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