第五十一話 ファイアーボンバー
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んだ。
「ムッ!」
そしてヴァルヴァロはその爪で攻撃にかかってきた。それがアキトのエステバリスを切り裂いた。
「アキトォッ!」
「大丈夫だっ!」
驚きの声をあげるユリカに対して言った。
「ほんのかすり傷!」
「確かにな」
ケリィもそれに頷いた。
「もう少しで急所だったが。運がいい」
その通りであった。ヴァルヴァロの爪はエステバリスをかすめただけであった。
「だが次もそういくかな」
「今度はかわしてみせる」
アキトはケリィを見据えて言葉を返してきた。
「今度はな」
「いいな。さらに気に入った」
ケリィはそれを聞いて笑った。
「ではかわしてみせよ。いくぞ」
「来い!」
ヴァルヴァロは突進してきた。だがアキトは動かない。ジッとそれを見ている。
「えっ、逃げないの!?」
ユリカはそれを見て身体を硬直させた。
「逃げて!さもないと!」
「心配することはありません」
ここでまたルリが言った。
「けど」
「今のアキトさんなら大丈夫です」
「大丈夫なの!?」
「はい。必ずかわします。ですから安心して見ていて下さい」
「ルリちゃんがそう言うのなら」
作戦参謀である。彼女の言葉には従うことにした。
「けど・・・・・・怖いわね」
「アキトさんはもっと怖い筈です」
「それもそうですね」
メグミがそれを聞いて頷いた。
「実際に前にいるのはアキトさんですから」
「けれどアキトさんは逃げていません。何かを掴まれようとしています」
「何かを」
「それが今わかります。ほら」
そう言ってアキトを見た。今まさにヴァルヴァロの爪が切り裂かんとしているところであった。
「若者よ、どうする!」
ケリィはアキトに問うてきた。
「この爪を避けなければ死あるのみだぞ!」
「こうするんだ!」
アキトはそれに対して叫び返した。そしてエステバリスを動かした。
「ヌッ!」
「これでどうだっ!」
アキトのエステバリスが分身した。そしてヴァルヴァロの爪をかわした。
「なっ!」
ユリカもダイゴウジ達もそれを見て思わず声をあげた。
「物理分身だと!?」
F91が得意とする技であった。だが彼は今それをエステバリスで行ったのである。
「まさかエステバリスで」
ダイゴウジがそれを見て驚きの声をあげた。
「何ということだ」
「かってドモンさんに言われたんだ」
アキトはそれに応えるようにして言った。
「どんな機体でも技を極めればできないことはないって。それにはまず覚悟が必要だって」
「覚悟か」
「今俺は覚悟を決めたんだ。切られれば仕方がないって。それでやってみた」
「そうだったのか」
「何とかできたみたいだな。危なかったけれど」
「見事だと褒めておこう」
ケリィはそれを
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