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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十一話 ファイアーボンバー
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「危なかったな」
「クッ、なかなかやるな」
 ヴァルヴァロに乗る褐色の肌に金髪の男がそれを見て言った。彼がケリィ=レズナーであった。
「これがエステバリスか。どうして中々性能がいい」
「あんたがケリィ=レズナーか」
「如何にも」
 ケリィはこれに頷いた。
「若いの、そちらの名は何という」
「アキト、テンカワ=アキトだ」
 彼はこれに応じて名乗った。
「そうか、アキトというのか」
「何故俺の名を聞くんだ?」
「戦士の名は覚えておかなければなるまい」
 ケリィはこう言った。
「俺の攻撃をかわすとは見事だ。だがそれが何時まで持つかな」
「クッ」
 アキトはその気迫に押されそうになった。だが踏み止まった。
「来い、戦士よ。今戦いとは何であるかを教えてやろう」
「戦いを」
「そうだ。見たところまだ若い。違うか」
「よくわかってんねえ、この人」
 サブロウタがそれを聞いて呟いた。
「アキト、一人で大丈夫なのか?」
「何なら我々も」
「いや、ここは一人でやらなきゃ」
 だが彼はダイゴウジとナガレの助っ人を断った。
「何かこの人は俺に大切なことを教えてくれそうな気がする」
「敵がか」
「いや、それはある」
 ナガレはそれを否定しようとした。しかしダイゴウジは違っていた。
「強敵と書いて友と呼ぶのだな」
「何か世紀末救世主みたいだね」
「だからそれを言うな」
「強敵か」
 軽いやり取りのサブロウタ達に対してアキトのそれは重くなっていた。
「それから学べるもの」
「来るか、若者よ」
 ケリィはまた言った。
「来ぬのならばそれもよしだが」
「いや」
 アキトはそれに首を横に振った。
「やってやる。それしかないみたいだしな」
「わかってはいるようだな」
 ケリィはそれを聞いて笑った。
「では来るがいい。ただし、手加減はしないぞ」
「言われなくても」
 こちらも手を抜くことは許されないと思った。アキトのエステバリスは右に動いた。
 それに対してケリィのヴァルヴァロは左に動いた。互いに隙を窺う。
「君はどうやらいい戦士になれる素質があるな」
 彼はアキトの動きを見てまた言った。
「俺から生き延びることができたならば。楽しみだ」
「有り難うございます」
 アキトはそれに応えた。だがここで言葉を付け加えた。
「けど俺は戦士の他になりたいものがあるんです」
「それは何だ」
「ラーメン屋です」
 彼は言った。
「ラーメン屋」
「ええ。宇宙一のラーメン屋になる。それが俺の夢なんです」
 彼は自分の夢を語った。
「その為にも。ここで死ぬわけにはいかない」
「面白い若者だ」
 ケリィはそれを聞いてまた笑った。
「戦士よりもラーメン屋になりたいか。こんなことを聞いたのははじめ
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