第五十一話 ファイアーボンバー
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「では私は」
「そうだ。御前は自分で自分自身を縛っているだけだ」
ヒイロは静かにこう言った。戦場に似つかわしくない程の静かな声で。
「それに気付くことだな。そうすれば道が開ける」
「その道標があれだというのか」
「そういうことになる」
ゼクスはバサラ達を指差した。ヒイロはそれを肯定してきた。
「考えてみるのだな」
「・・・・・・・・・」
ゼクスは答えられなかった。ただバサラの歌が耳に入る。それが徐々に自分の中に浸透していくのは感じていた。だがそれが結果として何をもたらすのかはまだわからなかった。
ここで増援が遂に到着した。アナベル=ガトーの部隊であった。
「ゼクス殿、御無事か!?」
GP−02に乗っていた。その禍々しい程の威圧的なシルエットの中から謹厳な声が聞こえてきた。
「ガトー殿か」
「遅れて申し訳ない。かなりの損害を出しているようだが」
「彼等は手強い」
ゼクスは一言こう言った。
「我が軍はこれ以上の戦闘は無理かも知れない」
「ならば下がられよ」
ガトーは撤退を勧めた。
「ここは我等が引き受ける」
「しかし」
「既にこのエリアの放棄は決定している」
「何!?」
「ここにティターンズ及びポセイダル軍が接近している。もうすぐ彼等の軍とも遭遇しかねん。これ以上ここで戦力を消耗することはないという決定だ」
「全ては地球降下作戦の為だな」
「そうだ」
ガトーはそれに頷いた。
「撤退されよ。もうここでの戦闘は終わった」
「わかった」
ゼクスはそこまで聞いて頷いた。
「それではお願いする。いいか」
「うむ」
こうしてゼクスとその部隊は撤退にかかった。だがここでロンド=ベルは追撃に向かった。
「逃すな!」
ブライトの指示が下る。それに従いロンド=ベルは追撃をはじめた。だがその前にガトー率いるモビルスーツ部隊が出て来た。
「やらせはせん!」
「ガトー!」
コウが彼の姿を認めて叫ぶ。
「また出て来たか!」
「言った筈だ!」
彼はそれに対して言い返した。
「私は大義の為に生きていると!その為には何度でも戦う!」
「クッ!」
「さあ来いロンド=ベルの戦士達よ!私は逃げも隠れもしない!」
「流石だな」
クワトロは彼の姿を認めて呟いた。
「ジオンきっての戦士だっただけのことはある。だが」
しかしここでその鋭い目が光った。
「我々とて無闇にここにいるわけではない。ブライト艦長」
彼はブライトに声をかけてきた。
「今だ。すぐに動こう」
「わかった」
ブライトはそれに頷いた。そして指示を下す。
「モビルスーツ部隊はこのままモビルドール部隊の追撃に向かえ」
「了解」
「その他の部隊でモビルスーツ部隊への迎撃に向かう。戦艦も前に出ろ」
「と
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