暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十一話 ファイアーボンバー
[12/26]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
変わったバルキリーがいると聞いたのだが」
「バルキリーですか」
「そうだ。何処にいる?」
「それでしたらあれです」
 彼はそれに応えて前を指差した。
「あの小隊です」
「あれか」
 見れば確かにその通りであった。風変わりな程派手なカラーリングのバルキリーが三機いた。そして何やら派手な演奏を奏でていた。
「俺の歌を聴けーーーーーーっ!」
「バサラ、今度はあたしの曲の番よ!」
 相変わらず自己主張が激しいバサラに対してミレーヌが反発する。
「ちょっとは演奏のバランスも考えなさいよ!」
「バランスなんざ壊す為にあるんだよ!」
 だが予想通りであるが彼は話を聞こうとはしない。
「そんなこと戦場で言ってられっかよ!」
「その皆を励ます為にあたし達は今ここにいるんでしょ!」
「それは違うな」
 バサラの声が一変した。
「俺達はここにいるのは皆を励ます為じゃない」
「どういうこと!?」
 突然真面目になったバサラの声にミレーヌはキョトンとしていた。
「何かあるの?」
「そうだ。俺がここにいるのはな」
 一人称になっていた。
「戦いを終わらせる為だ!行くぜ!」
 彼はまた叫んだ。
「トライ=アゲインだ!」
「もう、マイ=フレンドはどうなるのよ!」
「それは後だ!とりあえず俺の歌だ!」
 こうしてバサラの歌がはじまった。ミレーヌは仕方なくそれに演奏を合わせる。ゼクスはそれを見ていた。
「あれなのだな」
「はい」
 部下の一人がそれに頷いた。
「変わった戦い方だな」
「軍楽隊とはまた全然違いますな」
「例えて言うならばリン=ミンメイか」
 彼は言った。
「彼女に近い。歌で敵味方問わず何かを語り掛けているようだ」
「その通りだ」
 ここで声がした。
「ゼクス、御前もあの歌を聴いているだろう」
「貴様か」 
 ゼクスはその声に反応した。
「そうだ」
「何処にいる」
「此処にいる」
 そう言って天使が舞い降りた。ウイングゼロカスタムであった。

「ヒイロ=ユイ」
「暫く振りだな。元気そうで何よりだ」
 ヒイロは感情が見られない声でこう言った。
「今あの曲が戦場を支配している」
「ああ」
「あの曲に答えがある。御前自身のな」
「私自身の」
「わかっている筈だ。御前はネオ=ジオンにいるべき人間ではない」
「・・・・・・・・・」
「義理は果たした筈だ。なのに何故まだそこにいる」
「私は自分の信念で動いている」
「信念か」
「そうだ。ガトー殿に言われた。それこそが人の生きる道だと」
「ではガトーは御前の心を縛るのか?」
「!?」
 ゼクスの仮面が動いた。まるで割れたように動いた。
「それは」
「あの男は誰かを縛ったりするような男ではない。自分を縛ることはあっても」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ