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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十話 ロザリーの真実
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います」
「・・・・・・そうか」
 ジノはそれを聞いて顔を苦渋の色で覆った。
「何ということだ。我等は何だったのだ」
「囮だったというだけさ」
 後ろにやって来ていたトーマスがこう言った。
「何でもない、よくある話だろ」
「そうは言ってもな」
「俺達は軍人だぜ、そうした作戦もあるだろう」
「しかし」
「しかしもこうしたもねえさ」
 トーマスの言葉は醒めたものであった。
「それが仕事なのさ。違わないか?」
「・・・・・・・・・」
「まあ気持ちもわからないことはないがな。落ち着きな」
「しかし」
 それでもジノは不満を隠さなかった。
「しかしもこうしたもねえさ」
 だがそれに対するトーマスの言葉はやはり醒めたものであった。
「俺達は軍人だってことさ。どうしても不満なら軍を辞めるしかない」
「軍をか」
「あんたもそれは嫌だろう。冷静になるんだ」
 彼はそう言い続けた。
「いいな」
「わかった」
 ジノはとりあえずはこう言った。だがまだ不満は消えてはいなかった。
 トーマスも整備兵達も去った。ジノは一人格納庫にいた。そして今まで自分が乗っていたギンシャスプラスを見上げていた。
「辞める、か」
 彼は考えていた。シュメルは自分の武道の師範であった。剣術家だけでなく人間としても尊敬していた。その彼をこうした形で拘束するとは。しかも一人の狂気の人間によって。彼は決意しようとしていた。
「迷うことはないな」
 そう言ってギンシャスプラスに乗り込んだのであった。
 そして彼は姿を消した。何処かへ。ジノのまた何かに誘われていたのであろうか。


第五十話   完


                                      2005・10・21



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