第五十話 ロザリーの真実
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「それって・・・・・・。どういう意味よ」
「私を舐めてもらっちゃ困るわ。それ位お見通しよ」
レミーはロザリーを少し斜に構えて見ながらそう答えた。
「あんた、あの人が憎かったんでしょ」
「え!?」
「隠してもわかるわ。目をみたらわかるから」
「おい、レミー」
真吾が彼女を止めようとする。だがそれはできなかった。
「いいから。任せておいて」
「しかし」
「まあ待て真吾」
「キリー」
「ここはレミーに任せておこうぜ。男じゃできないこともある」
「・・・・・・わかった」
真吾も納得した。そしてレミーはまた言った。
「調べたわ、色々とね」
「そうだったの」
「あんたのお父さんも剣の使い手だったのね」
「ええ」
ロザリーはそれを認めた。
「バリー=ギムナスだったわね、確か」
「名前まで調べていたの」
「ちょっと時間がかかったけれどね。かってシュメルと勝負をしたことがある」
「そうよ」
ロザリーはそれを認めた。
「けれど敗れた。そしてその傷がもとで命を落とした。間違いはないかしら」
「いえ、その通りよ」
「おい、それじゃあ」
皆それを聞いて驚きの声をあげた。
「シュメルさんはロザリーにとって」
「親の仇だっていうの!?」
「そうよ、その通りよ」
ロザリーは言った。
「私が先生に近付いたのはお父さんの仇を取る為だった」
「やっぱりね」
レミーはそこまで聞いて頷いた。
「最初は隙を見てすぐに仇をとるつもりだったわ。けれど」
「会って変わったのね」
「ええ」
それも認めた。
「実際に会ってみると先生は優しかった。剣を教える時でも」
「うちのパパとおんなじなんだね」
プレセアがそれを聞いて呟いた。
「何か似てる」
「剣を極めるということは人としても極めるということだ」
ゲンナジーがここで言った。
「その道を極めるということは容易ではない。だがそれができた時には」
「人としても一つの極みに達しているということになる」
「その通り」
チェアンの言葉に応えた。
「何かゲンナジーもいいこと言うね」
「そうか」
リューネの言葉に応えた。
「うん。何かゲンちゃんらしくていいや」
「ミオからは絶対に出ない言葉だしね」
「まあ気にしない気にしない」
「そんな先生の側にいるうちに変わってきたのよ。けれど」
「お父さんのことは忘れられなかったのね」
「ええ」
ロザリーはまた頷いた。
「どうしたらいいのかわからなかった。シュメル先生はとても温かい人だったし」
「よくあることなのよ」
レミーは一言こう言った。
「憎い筈の相手がね。本当がいい人だったってことは」
「どうしたらいいのかわからなかったのよ」
「そういう場合はね、素直になればいいの
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