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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第五十話 ロザリーの真実
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ことはない」
「な、何て技なんだ」
 バゴニアのパイロット達はそんな彼を見て思わず震えた声を出してしまった。
「あれが剣聖シュメル」
「話に聞いていた以上だ」
「まさかルジャノール改であんなことを」
「剣を極めれば魔装機の性能なぞ何の関係もない」
 シュメルは静かにそう述べた。
「今のが何よりの証拠だ。わかったならば」
「いいのう、さらに欲しくなったわ」
 しかしゼツだけは別であった。やはり笑っていた。
「貴様の技がのう。早く来るがいい」
「何度も言っているがそのつもりは毛頭ない」
 シュメルは毅然としてそう返した。
「私は貴様の様な輩を認めることはない。早く立ち去るがいい」
「立ち去れと言われてそうする愚か者がいるというのか、ヒョヒョヒョ」
 また不気味でけたたましい笑い声を出した。
「それではわしも奥の手を使うまでじゃ」
「何をするつもりだ」
「こうするのじゃ」
 そう言うといきなりゼツの乗る機以外の魔装機が急に動かなくなってしまった。
「!?」
「こ、これは」
「一体どうしちまったんだ」
「どういうことだ、これは」
「ゼツ、何をしたのだ」
「特に何もしてはおらんわ」
 そう言ってうそぶいた。
「ちょっとこの連中の機体に細工をしただけでのう」
「細工だと」
「皆わしの意のままに動くのじゃ」
 彼は楽しそうにそう述べた。
「全てな。もちろん自爆することも可能じゃ」
「何だと!?」
「ここまで言えば意味がわかるのう」
「おのれ・・・・・・」
 シュメルはそれを聞いて義憤を感じずにはいられなかった。キッとゼツを見据える。
「何処までも卑劣な」
「ヒョヒョヒョ、褒め言葉じゃ」
 だが狂気の世界に住む彼にそんな言葉が通用する筈もなかった。
「そしてどうするのじゃ?一緒に来るのか?」
「・・・・・・・・・」
 シュメルはそれに答えられなかった。沈黙してしまった。
「それとも来ぬのか。その場合はわかっておろうな」
「シュメル殿」
 パイロットの一人が彼に声をかけようとした。だがそれを途中で自ら止めてしまった。
「いえ」
 首を振って沈黙の世界に戻る。
「何でもありません。失礼しました」
「俺も」
 彼等はこれ以上何も語ろうとはしなかった。だがシュメルにとってはそれで充分であった。彼の心がそんな彼等を見て何も思わない筈がなかったのであった。
「さて、どうするのじゃ!?」
 それを見透かしたようにゼツがまた声をかけてきた。
「来るのか?それとも」
 彼は言葉を続けた。
「来ぬのか。どちらなのじゃ?」
「・・・・・・わかった」
 彼は苦渋に満ちた声でこう言った。そしてバゴニアの魔装機の前に進み出た。
「これでよいのだな」
「そうじゃ。素材はこれで全て揃った」
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